2018年 7月 18日 (水)

点睛欠いた宮部ミステリー…緊迫シーンで歯がゆい間抜け演出ヘボ脚本

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「宮部みゆき・4週連続『極上』ミステリー第2夜 スナーク狩り」(TBS)2012年5月14日21時~

   織口(柄本明)は3年前に妻と娘を殺された釣り具店の店主、慶子(田中麗奈)は男に一方的に別れを告げられ別の女との結婚式の招待状まで送り付けられた獣医師。2人共に復讐の鬼と化している。織口は金沢での公判の結審に駆けつけて、心神耗弱で無罪になるかもしれない犯人を殺そうと車に乗る。織口の店の店員で可愛がられ見守られてきた修治(伊藤淳史)は織口の殺意を心配している。
   この3人が慶子の猟銃を巡って複雑に絡み合いながら金沢へ向かう一種のロードムービーである。今は携帯とNシステムによって、警察側は逃亡者の所在を比較的簡単に把握するので、3人は逃亡者ではないけれども何らかの意図をもった被害者家族として追われることになる。ほとんど車の中の会話だけで成立しているようなドラマで、サスペンスは醸成されているのだが、肝心の所で演出がマヌケ。
   金沢のクリニックから裁判所に移送されるために出てきた犯人から、織口は振り返った瞬間に猟銃を奪われて逆に撃たれる。倒れた織口が口からダラダラと血を吐いているのに、駆け寄った修治も慶子も「救急車」と叫ばないし携帯で110番もかけない。毎度こうした場面で歯痒く思うヘボ脚本とヘボ演出だ。しかも、犯人護送用の警官やスタッフは飛びかかっても来ず、修治1人が犯人と向き合うなど、どう贔屓目に見てもリアリティがない。緊迫したシーンでの綿密な演出設計が出来ていない証拠で、臥龍点晴を欠いた。

(黄蘭)

採点:0.5
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