2024年 4月 19日 (金)

ビッグデータで将来予測!交通事故発生マップや自殺予想

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   私たちはスマートフォンやICカードなどの身近な電子機器を使い、毎日膨大な量の情報をやり取りしている。インターネットでの検索結果、買い物をすれば商品の種類や価格、駅の改札を通れば移動記録、病院で受けた検査結果など、あらゆる情報がデジタル化され記録される時代となった。キャスターの国谷裕子は「日々生まれるデータの量はここ数年で飛躍的に増え、ビッグデータと呼ばれるまでになっています。これまでは解析不可能だったビッグデータを科学技術の発達で分析できるようになったことで、生活や社会が劇的に変わりつつあります」と解説する。

アメリカでは犯罪多発マップ

   コンビニのローソンには1日2500万件のデータが蓄積され、客の購買行動をリアルタイムで捕捉し購買パターンを解析している。国谷は「コンビニ利用者が買う商品を事前に予測して、商品の効率化を生み出しています」と説明する。

   カーナビからの情報を利用した交通事故予測マップもある。「埼玉県では車が急ブレーキをかける場所をカーナビ情報から分析して、交通事故が起きやすい場所を事故予測マップとしてカーナビに搭載したところ、その場所での交通事故が年間で2割減少しました」(国谷)

   鈴木良介(野村総合研究所主任コンサルタント)はビッグデータの活用実態をこう話す。「アメリカでは予測マップを犯罪防止に役立てています。犯罪が起きた場所、起きやすい場所を過去のデータから割り出し、犯罪マップとして公開しています。また、先読み医療も進んでいて、朝の起床情報など20項目近い1日の生活データが記録され、遺伝子情報の解析にも使われています」

人間のDNA1時間で解読―究極の個人情報も丸裸

   国谷「人間の体には30億近いDNAがあるといいます。以前ならば、このDNA解析に1週間はかかっていましたが、現在は1時間で解析ができるようですね」

   鈴木「DNAの情報は究極の個人情報です。もっとも価値の高い情報で、この情報を使ってベンチャー企業などではさまざまな試みが行われています。しかし、ビックデータはいいとこばかりではありません。そのベースは個人情報ですから、その情報をどう管理して守るか。個人の権利という問題と重ね合わせて考えなければなりません」

   日本では年間自殺者が3万人以上にもなるが、「どういうタイプの人が自殺をしやすいのか。このビックデータを使った研究が始まっています」と国谷は結んだ。交通事故マップや犯罪マップならともかく、自分がいつどんな病気になって、いつ頃死ぬなんて言うことまで知りたくない気もする。

ナオジン

NHKクローズアップ現代(2012年5月28日放送「社会を変える『ビッグデータ』革命」)

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