マイナリさん事実上無罪!「東電社員殺害」再審決定でも埋まらない15年

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   東京・渋谷で15年前に起こった「東電女性社員殺害事件」で有罪判決を受け、無期懲役で服役していたネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリさん(45)さんの再審請求審で、東京高裁はきのう7日(2012年6月)に再審を認め、さらに刑の執行停止(釈放)を決めた。

「証拠番号376の男」の存在無視して強引な見込み捜査

   渋谷の空き家アパートで、売春行為をしていた東京電力の女性社員が殺されるという猟奇的な面が大きく伝えられた事件だが、捜査当局はこの部屋のカギをもっていたマイナリさんを逮捕・起訴した。しかし、マイナリさんは終始一貫関与を否定、無罪を訴えていた。

早く情報公開

   裁判は一審が状況証拠が不十分として無罪。ところが、二審では一転有罪で無期懲役、となり、最高裁もそれを認めた。しかし、一審と二審の判断の違いは、同じ証拠の見方が逆になっただけ。検察側がマイナリさんに有利な証拠を出さなかった疑いなどで、えん罪を訴える支援者が再審を請求していた。

   再審決定の決め手は、現場に残された体液や体毛などのDNA鑑定で、マイナリさんとは別の「証拠番号376の男」が殺害した可能性が高くなったこと。この男の存在をうかがわせる証拠はいくつかあったが、警察が無視してきたことも明らかになった。決定は「無罪の明らかな証拠。これが控訴審に出ていれば有罪にはならなかった」と手厳しい。早くからマイナリさんに目をつけ、見込み捜査を強引に進めた結果だ。

刑務所で覚えざるを得なかった「漢字仮名まじり」の日本語哀し

   再審の決定に高裁前で待ち受けたマイナリさんの妻ラダさんと2人の娘は大喜び。ラダさんは「うれしくて、ありがとうといいたい」と話すが、「15年の歳月は戻らない」と厳しい目をした。

   マイナリさんの身柄はただちに入国管理事務所の施設に移された。法的には不法滞在の状態であるため、再審を待たずに強制送還される可能性が高い。再審には被告が出廷しなくてもいい。

   与良正男(毎日新聞論説委員)「再審を認めただけでなく、釈放したというのには司法担当記者も驚いたらしい。DNA鑑定の精度が格段に進歩した。もっと早く情報開示をすべきだったと思う」

   司会のみのもんた「検事の取り調べがいろいろあるし、でっちあげみたいなこともあるし、原点に立ち返らないと」

   マイナリさんは、はじめはローマ字だったのが、いまや漢字仮名まじりの立派な手紙を書く。15年でそうならざるをえなかったのだ。この痛ましさを伝えないといけない。

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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