2018年 10月 22日 (月)

向精神薬漬けにされる子どもたち―文科省方針で乱用・大量投与

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   上半身の揺れが止まらない小学生、足の先が小刻みに痙攣し続ける高校生―番組冒頭にショッキングな映像が流された。取り上げたのは「向精神薬」と言われる薬の副作用で多くの子供たちが苦しむ姿だ。発達障害の症状がある子どもに対し、小学校低学年までに副作用のある向精神薬を処方している専門医が、全国で7割に達することが明らかになっている。いったい今、子供の世界で何が起きているのか。

3歳児に興奮性抑える薬、1歳児に睡眠障害抑える薬

   番組の初めにキャスターの国谷裕子がこんな異例の前置きをした。「精神的疾患は早く発見し、治療をすれば治ると考えられており、この番組では一律に薬の投与を否定するものではありません」

   NHKらしい気遣いだが、多量な薬の投与に苦しむ子ども、「ヒヤヒヤしながら」処方する専門医の証言など、向精神薬を子どもに投与することへの疑問をストレートに伝えた。

   背景にあるのは文部科学省がすすめる学校と医療機関の連携だ。教師の指導で多くの子供が精神科を受診し、精神を穏やかにする向精神薬や激しい落ち込みを改善するための向うつ薬、向不安薬、さらには睡眠薬を服用させられている。これについて、文科省の担当者は「子供たちの心の問題を早期に発見し、早期に治療するためには医療の力を借りないと解決しないところがある」という。

   しかし、副作用に苦しむ姿を見ると、子どもが身を持って「くすり漬けにはなりたくない。安易に薬に頼る風潮を国が推進していいのか」と訴えているように見える。しかも、向精神薬を止めると「離脱」という恐ろしい反応があり、命にかかわることもあるという。

   厚労省が行っている患者調査では、発達障害やうつ病などの精神疾患で受診した未成年の患者は、平成20年に15万人、12年前に比べ倍増しているという。国立精神・神経医療研究センターが、どんな薬を何歳からどれだけの量を与えていたかを、全国の精神科・小児科医を対象に調査したところ、薬物の開始年齢は就学前が39%と一番多く、次いで小学校低学年が36%。小学校低学年までが7割を超えていた。このなかには、興奮性を抑える薬を3~4歳から与えていた医師、睡眠障害をおさえる薬を1~2歳の幼児に投与していた医師もいた。いっぽうで、「内心ヒヤヒヤしながら処方」「重篤な副作用がまれでない向精神薬を使い続けることに疑問を感じながら処方」と語る小児精神科の医師もいた。

   成長過程にある子どもがこうした薬物を服用した場合の影響について、現段階ではほとんど解明されていないし、どのくらいが適量かも明らかにされていないという。

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