2024年 4月 24日 (水)

ブロードウェイ「ゴースト」度肝抜かれた大仕掛け!まるで舞台版3D

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   ガイドブックなどには深夜に乗るのはやめましょうと書いてあるのだが、24時間運行しているニューヨークの地下鉄に、大丈夫だろうと夜中2時ぐらいに乗ってみた。どこか緊張してしまうのだが、なんてことはない。すぐに終電がなくなってしまう東京とは違い、そのありがたさを実感した。

NY上空をジェットコースターに乗っているかのような映像が始まりだった

   さて、その地下鉄が重要なシーンとなるのが「ゴースト~ニューヨークの幻~」だ。イギリスのウエストエンドからブロードウェイに鳴り物入りでやってきたこの芝居は、現地コーディネーターの方によると、当初ニューヨーカーたちは「どないやねん!」といった反応だったらしい。誰もが知る大ヒット映画で、さらにふだん自分達が住んでいる街を舞台でどのように再現していくのか、評価の目が厳しかったらしい。

   舞台には、ニューヨークの夜景をバックに向き合う主役2人の顔が描かれた緞帳が下ろされていた。よく見ると、緞帳の中のハドソン川だけがリアルにチョロチョロと流れている。あれ、どうなってるんだろうと思ったのがこの舞台のすごさの始まりだった。布かとおもった緞帳は映像で、開幕とともにニューヨークの上空をジェットコースターに乗っているかのように、縦横無尽に舞いあがる映像が始まった。

   ここから、観客は芝居に飲み込まれていく演出となっていた。映画では黒髪ショートヘアのデミ・ムーアが印象的なのだが、舞台の主役はブロンドでボブヘアの女性。なぜ映画のイメージを無視したのか不思議だったが、次第にわかってくる。幽霊になってしまった恋人には絶えずブルーのピンスポットが当たり、現実にいる人間とは違うことを強調している。女性が黒髪では幽霊役の俳優と差別化が難しく、ブロンドだったわけ。気になる方は是非ともオフィシャルサイトで映像とともにご確認を。

装置が凄すぎて「俳優に目が行かない」

   観劇後、ブロードウェイ参りをするメンバーといつも話題になるは、これが日本にやってくるかどうか。現地には日本の大手興行会社の社員が買い付けなどで常駐している。「四季」が買うのか、「東宝」が買うのか、「ホリプロ」が買うのか。どこが交渉しているかをあれこれと憶測するのがなんとも楽しい。

   論点は日本で上演するか、はたまたできるのか。「あまりにも舞台装置にお金がかかりすぎる」とか、「これだけの技量をもった俳優が日本にはいない」という点がいつも肝となる。今回見たゴーストの結論としてはナシ。日本ではあの舞台装置にお金がかかりすぎる。そしてなにより、LED多用したものではあるため電気ショーといった印象を受けやすく、節電の日本には受け入れられないのではないかということで即決した。

   その時メンバーのリーダーである俳優さんが一言。「それにしても演出が過剰。そこまでやらなくても観客はわかる。装置がゴテゴテしすぎ」。確かにLED電球で作られた幕が舞台を主人公の部屋から恋人が殺される街角、幽霊となったことに気がつく病院、先輩幽霊がパワーを見せつける地下鉄などに早変わりする。

   ゴーストは装置を映像にする斬新さも売りだったのだが、同行メンバーの芸人さんは「あんなに舞台装置がハデだと、俳優がちょっとかわいそう。俳優に全く目が行かなかった」とポツリ。そう、その通り。舞台装置はまるで3D。幽霊の恋人の腕がドアを通過し、地下鉄の車内で乗客の体が宙に浮いてしまうなど、その仕掛けばかりに注目してしまう。最先端の舞台装置と仕掛けられたマジックを見に行くような舞台としては素晴らしいが、核となる俳優に目がいかないというのでは、同じ舞台人として残念だったのだろう。

   さて、この「ゴースト」は日本で上演されるだろうか。それは舞台版ゴーストのテーマが示唆しているかもしれない。「Belive」と。

モジョっこ

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