新型水虫増殖中!人から人へ接触感染「頭や顔にも発症して脱毛や化膿」
梅雨から夏にかけては、とにかく水虫が厄介だ。さまざまな市販薬を使ってみても、完治したという話はあまり聞かない。それどころか、駒村多恵アナがこんな報告をする。
「水虫は足にできるものと思われがちですが、2000年頃から流行の新型水虫は、顔にも頭にも、腕や首などにもできるんです。そして、体中に発疹やかゆみなどの症状を引き起こします。しかも、人と人の接触感染なので、子供や母親に増え始めています」
先週5日木曜日(2012年7月)の放送で取り上げた話題だ。
寝技練習で次々うつった柔道部員たち
帝京大学・溝の口病院の清佳浩皮膚科長は「普通の水虫は白癬菌という菌で感染しますが、新型水虫はトンスランス菌という菌です。首や額に輪っか状の発疹ができて痒みを伴う。頭に感染すると、髪の毛の中に胞子ができて化膿して脱毛になっていきます」
駒村によると、「何が感染の原因なのか。たどっていくと人と人との皮膚の接触でした」という。清皮膚科長が担当した患者は柔道部員で、寝技の稽古していたという。そこで柔道部員の検査をしたところ、14人中6人から感染が認められたという。
清皮膚科長「感染者とのレスリングや柔道などの組み合いでは確実に感染します」
神奈川県柔道連盟は4年前から新型水虫の蔓延防止対策として、大会に専門医師が立ち合う事にした。疑いのある選手はその場で医師が診断する。大会の要項にも「感染がわかれば出場できない」と明記した。この結果、今年は感染者がゼロになった。
子どもと母親の間を行き来しながら拡大
ただ、体と体が接触する競技でだけうつるわけではない。
清皮膚科長「アメリカの小学校でクラスの2~3割が感染した事例があります。濃密な接触でなくとも移りうるんですね。注意しなくてはいけないのが子供の感染です。加えてその母親への感染が増えつつあることです」
子ども同士が遊んでいるときなどに相手の体に触れて感染すというわけで、それが母親に感染してさらに他の子供に広がっていく可能性が高い
駒村「市販の塗り薬でかえって悪化した例もあるそうです。新型水虫は必ず専門医に診てもらって下さい。菌が付いても内部に入り込むまでには半日から1日かかりますから、こまめに頭を洗うと言うことが予防法になります。また、ヘアブラッシの共用なども感染の危険があります」
(磯G)