女性起業家コンペ 静岡の「野菜流通改革会社」に大賞1000万円
評価された「困難に挑み続ける経営姿勢」
さて、10人のプレゼンが終わり、大賞を決める審査が始まった。審査ポイントは「ビジネスの革新性」「実現可能かどうかの事業性」「人を惹きつける経営者力」の3点だ。「地域の中に根差し、一つのビジネスモデルになって欲しい」と午来さんの評価は高かった。加藤さんについては「この分野の事業は分からない。どの程度のビジネスモデルになるのか…」と評価が割れた。ただ、加藤さんについては「実際に話を聞いて、この人はやるなという感じがした」「ある程度の落ち着きと信頼と、この方だったらラーニング(学習)できる」という発言があった。このため審査は夜遅くまで続いたという。
それから3週間後の6月19日に審査発表と表彰式が行われた。「女性起業家大賞は加藤百合子さんです」。優秀賞には午来さんが選ばれた。革新性や事業性以上に、困難に挑み続ける経営者の姿勢が創業期のビジネスには最も重要と判断されたらしい。
大賞を得た加藤さんは1000万円の賞金のほかに、今後1年間銀行による経営相談が受けられる。加藤さんは「こんな嬉しいのは出産以来です。産みの苦しみの後の解放感でホッとしています」と喜びを語った。
国谷裕子キャスター「やっぱり最後は人ですか」
この問いに新事業コンサツタントの本荘修二氏は「経営者力以外にもいくつかの判断基準があったようですが、事業は人なりと言います。それに従ったよい判定と思います」という。
本荘によると、ベンチャー企業に求められるのは粘りと柔軟性という。アメリカのベンチャー企業には「早く諦めろ」という言葉があるという。成果の上がらないアイデアにいつまでもしがみ付いていないで、早く方向転換しろという意味だそうだが、その半面、初心の志や使命を粘り強く持つ人間的な魅力のある人が成功するのだという。
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2012年7月11日放送「密着!女性起業家1000万コンペ」)