百聞は一見に如かず「祇園山鉾巡行」テレビの本領―静かな中継で目を見張る俯瞰映像

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「祇園祭山鉾巡行 京の夏完全中継」(BSフジ)2012年7月17日8時30分~

   昨年も見た記憶があるが、BS民放のソフトとしてこれほど相応しいものはない。天下の京都祇園祭・山鉾巡行の完全生中継である。何よりいいのは中継をした素朴な地方局のアナウンサーがけたたましく喋らないこと。祇園祭の研究者と、今はパリに住んでいる元女子アナの雨宮塔子ら、ほんの数人のゲストだけというのもいい。
   つまり、丸ごと祇園山鉾自体が主役であるとわきまえている人たちが作っているのがいいのだ。筆者は数年前、御池通りの桟敷席で巡行を完全に見たが、テレビ局の多角的な中継のように細部は全く見られなかったので、感心するやら目を見張るやら。こんなスケールでこんなに美的で雅びで、かつ品がいい祭りは世界中にここだけしかないと思う。わが民族の歴史と文化度の高さを誇りたい。

   京都市長が籤改めをする場面から始まり、カメラの場所撮りもよく工夫されている。特に四条河原町や御池通りでの辻回しの俯瞰図は巨大な長刀鉾や月鉾の上からもちゃんと撮れていて百聞は一見にしかず。最も美しいと言われている月鉾は、この1年間かけて周囲の胴掛け4面を総て張り替えたのだそうだ。長刀鉾の中央に乗り、真剣でしめ縄を斬る大役を果たした稚児の福井正賢君は同志社付属校の10歳。白塗りに絢爛豪華な衣装と冠、暑いだろうに使命感に溢れた真顔で立派に振舞う。この間、神の使いなので地上を歩いてはならず、母親とも会ってはいけなかったのだそうだ。あっぱれ。

(黄蘭)

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