何度でも見たい見せるべき…東京空襲・記録写真ドキュメントの真摯

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「NHKスペシャル 東京大空襲」(NHK)2012年8月5日15時5分~

   以前放送されたものの再放送であるが、何度でも見たいし見るべきものである。67年間、民家の押し入れに眠っていた貴重な写真のドキュメントだ。第2次世界大戦中、昭和19年11月から20年5月にかけて、東京は米軍の大型爆撃機B29によって100回以上もの絨毯爆撃をされた。銀座、荏原、浅草、九段、荻窪、高井戸、根津などの爆撃を受けた後の鮮明な写真が583枚も出てきたのだ。
   旧陸軍のプロパガンダのために陸軍参謀本部に雇われていた木村伊兵衛をトップとするカメラマンの東方班は、「フロント」誌に掲載した写真の他に空襲の後の惨状を撮っていた。木村は部下に「現場で起きていることを後世に残す」と発言しており、事実これらは貴重な資料になったのである。中でも有名な20年3月10日の東京大空襲では、B29が279機も飛んできて、2時間半にわたり民家までを絨毯爆撃し、32万発もの爆弾を落とした。生き残りの婦人は「春日通りが火の粉の川になっていたのを見た」と証言する。
   取材班は当時のアメリカ軍のパイロットにもインタビューしている。米軍は1年も前から、日本家屋の消失度を測る実験までしていて、爆弾の落とし方の分析もしていた。「神風が吹く」とかいった非科学的な精神論で戦争の実態を隠蔽していた旧陸軍に勝ち目があるはずもなく、あたら普通の市民の何十万人を犠牲にした。つくづく無駄な戦争であったと思い知らされる価値ある映像である。

(黄蘭)

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