2024年 4月 19日 (金)

橋下大阪市長「衆院定数を240に半減」狙いは擦り寄り議員のふるい落とし

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   橋下徹大阪市長のひとことが永田町に波紋を投げている。衆院の定数を半減するというのだから、選挙をにらんで人気の高まる「維新」にすり寄る国会議員にいわば水をぶっかけたものだ。

   おととい26日(2012年8月)、愛媛・松山市で開かれた「松山維新の会」の会合で、橋下「一緒にやりませんかといってくださる国会議員は多いが、国会議員の数を480から240にしますけど大丈夫ですかね」と話した。「大阪維新の会」の公約を飲むことが合流の譲れない条件だというのだ。公約には、歳費・政党助成金の3割カットなど、現職にはきびしい条件がいろいろ並んでいる。いわば選挙目当てのすり寄り議員への先制パンチである。

民主・自民は猛反発「ここは立法府なんだ」「民意反映できるのか」

   「大阪維新の会」幹事長である松井一郎・大阪府知事は、道州制が実現したあとを視野に、「国政、広域行政、基礎自治の役割分担がしっかりなされるなら、いまの480の国会議員の数は必要ない」という。

多すぎるの?
 

   さあ大変、百家争鳴だ。「どういう哲学があるのか、ここは立法府なんだ」(自民・大島副総裁)、「半減して民意が反映できるのか」(民主・輿石幹事長)、「一市長が国政にとやかくいうな」「言うのは勝手」(民主議員)、「歓迎ですよ。国会議員でもろくに仕事しないのが半分以上いますからね」(みんな・江田幹事長)。橋下と接触している松野頼久衆院議員は「道州制前提なら十分考えられる。考えは十分に理解できる」。地方からも、大村愛知県知事は「半減は私のマニフェストにかかげている。歓迎したい」。河村名古屋市長は「それもひとつ の考え方」

   政治アナリストの伊藤惇夫氏は「多くの人は選挙前は受け入れると思う。とりあえず次の選挙で受かればいいやといいう人多いですから」と覚めた見方だ。どのみち、具体化するとしても遠い先の話だ。

   衆院の定数では総数うんぬんの前に、「1票の格差」ですでに違憲判決が出ている。きのう27日の衆院倫選特別委は「衆院選挙制度改革法案」を民主単独で強行採決した。内容は、「0増5減」+「比例40削減」だ。自民は「比例削減」には反対だから、参院で成立の可能性はない。いま選挙をしたくない民主党の意思表示と受け止められている。

   橋下発言について岩井奉信・日大教授は、「たった5議席の削減ですら動けない国会の現状を前に、半減というインパクトのある数字を出してくるのは、いいところを突いている」という。「思いつきではなくて、国の機能を縮小した小さい政府でというアメリカに近い構想だ」

   舘野晴彦(月刊「ゲーテ」編集長)「期待したい。数字じゃなくて、覚悟の表れですから。民主も自民も身を切れないんだから、風呂敷広げていい」

ヨーロッパに比べると決して多くない日本の議員数

   赤江珠緒キャスター「480というのは多すぎるんでしょうか」

   岩井が「よく多すぎるといわれるが」と世界との比較を出した。議員1人当たりの人口をみると、アメリカは71万人と確かに少ない。日本は27万人で、ドイツ13万人、フランス11万人、英国9万5000人と比べると必ずしも多くはない。「ただ、日本はもの凄く待遇がいい。なのに働いてはいないというのがあります。また、アメリカは議員数は少ないがスタッフはもの凄く多く、活動を支えている」という。

   そういう全体像への一般の理解が進まないと、なかなかではあろうが、少なくとも「近い」 といわれる選挙にはインパクトにはなるはずで、国会議員を橋下が選別するという面白いことにもなりそうだ。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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