男子店員にまったく無視されたわれら30代女子会―隣の読モはナンパかよ!

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   毎度おなじみの大学同級生の女子会の日、メンバーの1人の誕生日会も兼ねていた。ちょっと居心地が悪いほどおしゃれな渋谷のスペイン料理レストランで、誕生日会という名の夏の慰労会である。こうやって、何でも言い合える友達がいる私たちは幸せなのかもしれない。いつも変わらないグチや、出口の見えない恋愛話を言っても聞いてくれる。けれど何年も一緒にいると話の内容は変わってくる。

でもいいんだ…私らにはなんでも話して聞いてくれる友達がいる

   1人の母親がこの夏、緊急入院した。実家住まいの彼女は出勤前と仕事終わりに母を見舞いに行っている。そして、家の用事を母の代わりにする。いやはや、主婦って大変ね。そして長女のあなたも大変ねと女同士でうなずく。ところが、それ以上に大変なのが、家にいる大人たちらしい。

   まずは祖母。同居している90歳近い祖母はとても元気なのだが、ちょっと嫉妬しているらしい。いま家族の話題は入院している母のことばかり。そこでどうでもいいお使いを孫娘に頼む。「あのさぁ、新しいタオルが欲しいんだけど」。緊急とは思えない用事を頼んで、自分のことも忘れないでほしいとアピールしているらしいのだ。あぁ大変だ。でもお婆ちゃんを無視するわけにはいかないし、適度にお相手してあげなきゃダメよね。

   ところが、それ以上に強烈なのが父親だった。「ママがかわいそうだ。ママの辛い姿が見ていられない。自分が早く死ねばいいんだ」と言いながら、キュウリに膨大な量の塩をかけ、下戸なのにウイスキーをロックで飲みほし、きょうからタバコを吸うんだと宣言したらしい。ハタ迷惑で、父親の狼狽ぶりには本当に困った。でも、そこまで父に愛されている母はすごい。一同笑いこけながらも感心する。

   でも、入院中の母はばっさり斬り捨てた。「パパは今きっと躁状態なのよ。そのうち落ち着くから大丈夫。ほっときなさい」。そんなカップル、ちょっとステキでもある。恋人いない歴はや××年、婚約中、結婚8年目、離婚して1年目の友人も感慨深くその話を聞いている。でも、話を聞いてもらえる友達がいるからいいわと話は元に戻る。

これってやっぱりヤキモチなんでしょうか…ちょっと切なくなった夏の終わり

   そんなことで盛り上がっている私たちの両隣に、若い女性組がやってきた。さすがおしゃれなお店だ。どちらの席にいるのも読モらしく、とにかく若くてかわいい。彼女たちにくぎ付けになった私たちだが、それ以上に引きつけられたのは男性店員だった。

   私たちに注文した料理を届けるときも、「こちら○○○になります」とだけしか言わなかった店員が、隣のテーブルでは料理の説明を丁寧にしている。さらに、どういう女子グループなのか、どこで働いているのかをするすると聞いている。なんだよ、店員がナンパかよ!私たちはもう2時間ぐらいいますけど、ちっともそんなこと聞かれなかった。居心地がますます悪くなって、グラスに残った酒を飲みほして店を後にした。これってただのヤキモチなんでしょうか。なんだか夏の終わりに切なくなった30代女子たちだった。

モジョっこ

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