2018年 7月 18日 (水)

何とかならぬか山村紅葉!演技以前の下手くそ起用は「原作ものドラマ私物化」

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「西村京太郎サスペンス 十津川刑事の肖像6」(フジテレビ)2012年9月7日21時~

   離婚訴訟でドロドロの高嶋政伸が、やつれも見せず、でっぷりと貫録がついて十津川刑事を演じている。引きつった笑顔でホテルマンドラマをやっていた頃に比べると、高嶋も成長したものだ。お兄ちゃん(高嶋政宏)よりも近頃は活躍しているのではないか。
   銚子電鉄や犬吠埼灯台など西村作品お得意の地方観光地が舞台の殺人事件である。そこに長年、執念で未解決事件を追ってきた地方署の渡辺刑事(鶴見辰吾)の死まで起きる。毎度の定番だと思いながらも終わりまで飽きさせない。鶴見辰吾のちょっとやつれた地方刑事ぶりもなかなかよかった。数字のトリックはバレバレだったが。
   願い下げにしたいのは、いつまで経っても下手くそな演技以前の山村紅葉が、ここでも原作者の威光を借りて重要ポストを占めていること、彼女のシーンさえなければましなのだが、何とかならぬかテレビ局。これでは原作ものドラマの私物化ではないのか。
   金貸しやら如何わしい女セミナー講師やら、胡散臭い人物を多数登場させて、結局、殺人犯人は別人だったの仕掛けも定番通りだが、雰囲気のある亀井刑事(古谷一行)らの存在で、鉄道もののB級サスペンスと馬鹿にするほどの駄作ではなかった。特に、へらへらと漁船の上で生きている男の、刑事に媚びる卑屈さと、背景の美しい入江の風景とのギャップが現代的で、優れたロケハンの眼力である。2時間ドラマが一定の視聴率を稼ぐ理由もここにあると思う。

(黄蘭)

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