10兆円市場「富裕層」狙え!1泊2日16万円の豪華バス旅行、55万円の九州1周

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   富裕層をターゲットにしたリッチ・ビジネスが動き出している。大手百貨店が始めた1泊2日で「お一人様15万8000円」という座席数わずか10席の超豪華バスは毎回完売という。これを見習ったか、JR九州が3泊4日で九州を1周する「お一人様55万円」の超豪華列車を来年10月(2013年)から走らせる。

   どういう推計か分からないが、この富裕層向けビジネスは10兆円市場といわれている。デフレ不況下、値引き競争に疲れた企業がこんな動きを参考に続々参入してきているのだ。さて企業の思惑通り富裕層は踊ってくれるかどうか。格差社会を助長するだけで終わらなければいいのだが…。

8000万円以上の余裕資金持つ182万人ターゲット

   1億総中流意識を持ったのは高度成長時代の話だ。低成長のなか中間層はしぼみ、消費の縮小が続いている。しかも、1年後には消費税率が8%にアップされる。そこで、消費税率のアップをものともしない売上増の切り札として注目されているのが富裕層だ。

   ヨーロッパの調査会社「RBO Wealth Management」の推計によると、100万ドル(約8000万円)以上の投資可能な資産を所有する金持ちの数は1位アメリカ306万人、2位日本182万人、3位ドイツ95万人、4位中国56万人という。日本が世界第2位とは驚きだが、そんな富裕層に着目して業績を伸ばしている企業が少なくない。

   大手百貨店の「福岡天神大丸」は宝石売り場の奥に「エクセレントルーム」と呼ぶ特別の部屋がある。専属のアドバイザーが常駐し、客の求めに応じて洋服からバッグ、靴にいたるまで全身をコージネートしてくれる。この日、50代の女性から入った依頼は休日の外出時に着るワンピース。アドバイザーは店内のブランド店を回り、女性に合うワンピース、それに合わせた靴など12通りを用意した。2日後、依頼した女性がやってきた。会社を経営しているこの女性は3着購入し20万505円を支払って帰って行った。

   百貨店がこの事業に乗り出したのはやはり消費の低迷がきっかけだった。5年間で20%の売り上げダウン。そこで目をつけたのが忙しくて買い物の時間がつくれない富裕層だった。売り上げは4年で2倍に急成長したという。アドバイザーは「想定されている購入金額の2倍を買われる方が多い」と話す。

   売り上げ低迷による百貨店の地方店舗閉鎖でできた空白地域に、逆に攻め込む動きもある。兵庫県の山あいを大型バスが走っている。観光バスかと思って中を覗くと、高額の婦人服やバッグがずらりと並んでいた。大手化粧品会社「ポーラ」が、地方の富裕層を対象に昨年10月から始めた「高級品移動販売車」だ。ポーラの多様化拡販部の幹部は「地方には想像以上にレベルの高いお客様がいらっしゃる」といい、事業拡大を進めている。

   JR九州の超豪華列車のプロジェクトチームはスペイン北部を1週間かけて巡る豪華寝台列車「エル トランスカンタブリヨ」を視察に行った。お一人様70万円と高めだが、途中下車しては絶景や豪華レストランを案内してくれて、そこが人気でリピーターが多い。JR九州はこれを参考にするという。

どこまで期待できるか消費押し上げ。金持ちほどケチかも…

   キャスターの国谷裕子「日本にとって、こうしたリッチ層へのマーケティングを積極的に行う意味をどう捉えたらいいのでしょうか」

   格差や富裕層に詳しいという甲南大の森剛志准教授は「日本にとって、こうしたリッチ層へのマーケティングを積極的に行う意味をどう捉えたらいいのですか」。

   森准教授の答えは「マーケットを開拓することで、購買力がある人たちの消費を進めれば雇用も生まれる。経済にとって非常にプラス、いい意味で地域のバリューも上がる。経済波及効果も大きいと思う」と解説した

   さて、富裕層争奪戦にうまく踊ってくれるかどうか。金持ちほどケチという話もある。

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2012年月日放送「リッチをねらえ~富裕層ビジネス最前線~」
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