<花の冠>
賞金800万円に挑戦してみる?「シナリオ大賞」ドラマ―今年度は自然な生活感が心地いい家族物語

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   「第11回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞」受賞作品の単発ドラマである。ひとくちで言えば、暑い日、扇風機の「弱」の風に当たった程度の爽やかさ、といったところか。ま、義理の姉を演じる蓮佛美沙子の顔も、梅酒じゃないけどサラリとして涼しいし。いわゆるドラマチックな盛り上がりはないが、どこにもありそうな自然な生活感があって抵抗感なく見られた。

眞島秀和影薄いなあ…そろそろサラリ感から脱却しなきゃあ

   男子高校生の桜(中川大志)は母・純子(斉藤由貴)と2人暮らしだ。母はバツ2で、桜が子供の頃、再婚先から桜を連れて出てきた。元夫とは互いに連れ子を持ち寄って結婚したので、一時期、義理の姉・志保(蓮佛美沙子)と4人家族として暮らしていた。

   元夫はエリートサラリーマンだったらしいが、リストラにあい、酒浸りに暴力。この辺りがちょっと安易なステレオタイプだ。演じる眞島秀和は影が薄く、これもサラリ。個人的にはけっこう気になる役者だが、このサラリ感が便利な一方、いろんなドラマに登場はするがイマイチ中心人物にキャスティングされない由縁か。いっそのこと、一見真面目で暗いがホントはお茶目!的なキャラクターでも演じて脱皮してみてはどうかしら。

   母役の斉藤由貴はあいかわらず暑苦しいが、このドラマではそれがよくハマッていた。その母が性懲りもなく3度目の結婚をするという。しかも今度の相手は2人の子連れだ。桜は嫌がる。そこへ久しぶりに元義理の姉・志保が現れ、桜および純子の「家族のつながり」というテーマが見えてくる。そしてそれは、次の新しい家族につながってゆくというわけだ。

   別れてから志保がじいちゃんと暮らしていた田舎の家のシーンがよかった。ガランとした古い縁側で、突然「姉弟」になった頃の思い出を言葉少なく語る桜と志保。父もじいちゃんも亡くし、ほんの一時期家族として暮らした桜親子を訪ねるほかなかった志保の孤独がしみじみと伝わってきた。

   ところでこのシナリオ大賞、2012年度(第12回)の選考は6月に終わっちゃったから、来年度をめざしてみたらどうかしら。賞金は800万円だぞー! あ、〆切は今年の11月だから急いでね。テレビ朝日 9月14日(金)夜11時15分~

(カモノ・ハシ)

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