芸達者・井上真央と笑わぬ鏡トッカン洒落た掛け合い―続編期待したい今期一番ドラマ

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「トッカン・特別国税徴収官 最終回」(日本テレビ) 2012年9月19日22時~

   今期の連続ドラマで一番面白かった作品である。派手さはないがスタジオでのアップばかりの撮影とは違い、日活らしい街中のロケを多用した映画的手法にリアリティがあった。鏡(かがみ)トッカン‐特別国税徴収官(北村有起哉)という笑わないユニークなキャラクターと、その部下で、反論されるとグッと詰まるので「ぐー子」と綽名された鈴宮深樹(井上真央)の凸凹コンビのへたれ活躍話だ。
   S(差し押さえ)手続きに入った大衆食堂の唐川店主が自殺を図り、代理人の弁護士・吹雪敦(及川光博)らがワイドショーで鏡を糾弾する。クビ寸前の鏡を救おうと、いつも受け身だった鈴宮が自殺未遂の真相を調べ始めると、唐川の自殺動機は徴収官の問題ではなく、その土地を狙って唐川の妻に悪知恵をつけて彼女を妊娠させた不動産屋がおり、妻の妊娠に傷ついた(唐川は無精子症)挙句だとわかる。抵当権の所有者は地方の痴呆症の婦人で妻の名前も覚えていないことがわかり、抵当権自体も鏡が事前に予測した通りの偽造だった。
   あちこちにちりばめられたセリフが面白い。その1つ、吹雪弁護士曰く「国家の体裁の手先が国家公務員だ」。そこで最後に鈴宮が一世一代の早口で反論する。「貴方こそ体裁弁護士だ!」。芸達者の井上真央と、カリフラワーみたいなヘアスタイルの黒服・北村トッカンの掛け合いにそこはかとないペーソスもあって、視聴率は高くなかったが、大人の鑑賞に堪える作品となった。続編を期待する。

(黄蘭)

採点:2
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