夢の万病治療法!?「細胞シート」―歯周病、膝痛で骨再生、心臓病やガンにもに効果期待

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   再生医療の分野で、自分の細胞を培養して患部に貼り付ける細胞シート治療法の実用化が近づいている。心筋梗塞には心臓の外側、歯周病の人は歯の骨が溶けた所、膝関節なら削れた軟骨部分に貼る。「この細胞シートの治療はまだ臨床試験段階ですが、受けた人の症状が劇的に改善されているんです」(中谷文彦アナ)

自分の細胞切り取って培養―ぺたんと貼って骨や臓器が生き返る

   石塚三千子さんは重い歯周病で右奥歯3本の歯茎内の骨が溶け、東京女子医科大で細胞シートの手術をした。まず、細胞シートを作るために親知らずを抜き、歯の根元の歯根膜を採取して1か月間かけて1万倍の歯根膜細胞を培養した。担当した口腔外科の岩田隆紀医師はこう説明する。

「この細胞シートを5ミリに切って、3か所の歯茎に植え付ければ骨が再生します。いままで歯周病の骨は再生不可能なため現状維持の対処療法でしたが、細胞シートを使えば根本治療が可能です」

   手術後の石塚さんは翌日から歯茎の出血が止まった。別の患者は骨にミリあった空洞が、手術6か月後には3ミリに埋まっていたという。大阪大学大学院の澤芳樹教授は「今までこの分野のデータが少なかったので、これから有効な治療法が確立すると思います。抜歯しないで歯根膜を採取できる方法とかも開発されていくでしょう」と話す。

臨床研究段階だが、2~3年後に実用化めざす

   高校の体育教師の鈴木宰也さんは、20年前に左足膝のじん帯断裂の事故をきっかけに、変形性膝関節症に苦しんでいた。東海大学病院で細胞シートの手術を受けたところ、劇的に改善した。

「変形性膝関節症は痛みは取れても治らない病気と思われていましたが、骨や軟骨を増やして再生できるようになりました。治療法は自分の細胞を摘出して培養する細胞シートです」(主治医の佐藤正人医師)

   歩行困難になっていた鈴木さんは、手術から3か月に左膝の骨も軟骨も再生して剣道の打ち込みまでできるほど回復している。

   澤教授は「細胞シート療法はまだ臨床研究段階ですが、心臓での治療はすでに治験に入っています。あと2年から3年で実用化になれば、保険診療での治療を目指しています。ガンや糖尿病、脊髄損傷、アルツハイマーなどさまざまな病気の治療方法に、この細胞シートは必ず役立っていく筈です」と話す。

(磯G)

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