2024年 4月 19日 (金)

伊藤穣一「異分野組み合わせる異才」世界が欲しがる男を作った勉強嫌いと借金まみれ

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   目まぐるしい変化で先が見えないカオス(混沌)の時代を生き抜くためには、常識を覆すイノベーション(技術革新)が不可欠という。

   そうした不確実な時代の寵児、いや先導者と言ったほうがいいのか、一人の日本人男性が昨年(2012年)秋、イノベーションの殿堂といわれる「MIT(マサチューセッツ工科大)メディアラボ」の所長に抜擢され、世界中の視線を集め続けている。

   伊藤穣一(46)。勉強嫌いでアメリカの2大学を中退したり、借金まみれのあげくナイトクラブのDJで生計を繋いだりと型破りのキャリアの持ち主だ。だが、08年にはビジネス・ウィーク誌の「ネット上で最も影響力ある世界の25人」に選ばれている。帰国したその伊藤に、国谷裕子キャスターがカオスの時代に生き抜くヒントを聞いた。

イノベーションの殿堂「MITメディアラボ」所長に抜擢

   「MITメディアラボ」は未来を作る研究所といわれる。LANシステムや電子書籍の文字表示など、世界を変えたシステムを生み出し、イノベーションの殿堂といわれている。こうした世界を変えるイノベーションを生み出すのが使命の第4代所長に、世界トップクラスの研究者200人以上の候補の中から伊藤が選ばれた。いったい何が評価されたのか。

   伊藤は数々のIT企業を立ち上げ、企業に投資する投資家でもある。ネットの知的所有権のルールづくり、人権擁護団体やネット上の市民ジャーナリストのグループなど、数々の国際組織のリーダーにもなっている。その根っこにあるのは、型破りの経歴が育んだ、誰も思いつかない異分野の人と人を繋ぐ力。これが高く評価されたのだという。

   国谷「いままでのMITの所長は博士号を持った人たちですが、伊藤さんは異文化の方々を繋ぐコネクターとしての役割を期待されて所長に就任されました。ご自分で選ばれた理由をどう見ておられますか」

   伊藤「いろいろな要素があると思う。そのDNAの雰囲気がピッタリ合ったのが一番のメインと思う。メディアラボの特徴は、一つの分野にまとまらない人、悪い言い方でいうと仲間外れ。どこにもはまらない、だけどメディアラボなら何とかなる。私も自分のやりたいことがあったが、一つの組織ではまとまりきれなかった。そういう人たちの集まりで、それがDNAです」

   予想もつかないバラバラなものの中から繋がりを見いだし、優れた機能を作りだす力だ。エリートコースから掛け離れた人生経験があったからこそ育まれた力なのだろうが、いつからその力に目覚めたのか。

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