2024年 4月 20日 (土)

小倉智昭平謝り「森口ニセiPS話」この番組もすぐ飛びついてしまった…

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   「とくダネ!」はきょう15日(2012年10月)も森口騒動から離れられない。先週木曜日の読売新聞の特ダネ「世界初のiPS細胞の臨床応用」に乗ってしまったツケである。翌日には「怪しい」ということになって、週が開けても騒動は続いている。

資格、渡米時期、患者すべてウソ。コンビニ店員に「読売新聞取っといて。自分が出る」

   森口尚史氏(48)は土曜日(10月12日)にニューヨークで記者会見をしたが、次々にウソが暴かれた。ハーバード大客員講師の肩書きもマサチューセッツ総合病院の手術も否定され、心筋手術をしたのは6人ではなく実は1人だと言い出した。手術日も今年2月から昨年6月に変わった。今年2月ではパスポートの記録と矛盾するからで、昨年6月の入国も「観光ビザ」だった。

耳が痛い
 

   記者からは「妄想ではないか」と問われ、「妄想ではない」「オーバーにウソをついたことになります」とまでは認めた。それでもなお、「1人の手術」はやったという。しかし、どこの病院かは「ボストンだが、いえない」。患者 は34歳の男性で住所はバーモント州だと話している。そもそも本人は医師の資格もない。ではだれが手術をしたのか。ビザといい手術といい、「自分がやった」としたら法律違反である。もうボロボロだ。

   いったいどういう人物なのか。奈良の公立高校卒で、勉強はできる方だったようだが、「京都大学の医学部へいく」というのを、級友は「エッ、高すぎ」と聞いていた。高校卒業後6年浪人して東京医科歯科大に入学したが、なぜか医師ではなく看護師資格である。医科歯科大を出てこれも珍しいだろう。

   その後は研究者の道を歩んだようで、時折、論文を発表しているが、新聞などへの売り込みで記事になったものもあった。今回もいくつかの新聞に声をかけたようだが、朝日新聞は「怪しい」と記事にせず、結果的に読売新聞が乗ってしまった。過去の論文でも「盗用」の疑惑も浮上している。

   独身で千葉・市川市のアパートは間取りは6畳と台所だけの1K。家賃6万2000円で十数年前から住んでいる。現在はっきりしている肩書きは、東京大学特任研究員だが、大家には「東大教授」を名乗っていたという。近所のコンビニの店長は、「山中教授の受賞のとき、『自分もノーベル賞もらっていたかも』といっていた。心筋移植の話を前に聞いたことがある」という。渡米前に「11日と12日の読売新聞をとっておいてくれ。自分の記事が載るから」といっていた。クリーニング店では、「記者会見するから」とワイシャツとネクタイと背広のクリーニングを頼んでいた。

簡単にもらえる「客員研究員」の肩書き

   司会の小倉智昭「山中伸弥・京大教授の話より森口さんの話が長くなるのは嫌なんですが、医師免許持ってない人が観光ビザで入って心筋移植なんかできるのかどうか」

   医療ジャーナリストの伊藤隼也氏は「アメリカでは資格なしで医療行為をしたら逮捕されますよ。それ以前に、これが報道されたとき、あり得ないと思ったし、記事が稚拙だった」という。

   小倉「客員研究員というのは?」

    伊藤「ピンからキリまであって、企業などの寄付があると安易になれる。売り込みには気をつけないといけない」

    本物の医学博士である中野信子は「ねつ造を助長する圧力というのはあるんですが、この人のはあまりにも度が過ぎて、弁明のしようがないんじゃないか」と話す。

    小倉「この問題でこんなこといえば大きなニュースになるのはわかっているのに、なんでやったんでしょう」

   夏野剛(慶応大学大学院特別招聘教授)「目立ちたいんでしょ。マスコミにちやほやされると、その気になっちゃうってのはある」

   伊藤「すぐ飛びつかないで検証する力を持つことです」

   小倉「耳が痛いです。すぐ飛びつきましたからね」

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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