2018年 7月 20日 (金)

毎日新聞記者よ勉強不足だ!とっくにやってる野村芳太郞「砂の器」でピアノ回想シーン

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「遺品整理人 谷崎藍子Ⅲ」(TBS)2012年11月5日21時~

   死者の遺品から、彼は殺されたのだと完全犯罪を解いてゆく女性遺品整理人の活躍話。昔は仲のよかった兄弟、資産家の兄・片山勇一(ガッツ石松)と弟・片山忠雄(大杉漣)がいて、心臓が悪い勇一は忠雄によって感電死させられてしまう。遺品整理に出向いた谷崎藍子(高畑淳子)は、ある遺品に疑問を持って事件を暴いてゆくのだが、兄弟にはかつて母子家庭だった辛い過去があった。
   よくあるパターンのB級サスペンスで、毎日新聞のラ・テ欄記者が、「終盤、ピアノの調べとともに、兄弟の思い出が流れる場面には圧倒された」と絶賛していたので、どんなに凄い作品かと期待して見たら、大落胆だった。即ち、兄弟が仲のよかった昔の回想シーンで、短調の通俗的感傷的なピアノ曲が奏でられるのを褒めてあるわけだが、筆者に言わせればこのラ・テ記者は勉強不足である。
   今から40年近く前に、名匠・野村芳太郎監督が演出した名画、松本清張の「砂の器」で彼はとっくにこの手法を使っている。作曲家が恩人を殺し、次第に追いつめられてゆく終盤に、自らの宿命を自作のコンチェルトで語る場面で延々と過去の悲惨な生い立ちが描かれ、ピアノ演奏のクライマックスと共に観客の涙をそそるのだ。武満徹も素晴らしい映画音楽を書いたが、「砂の器」の菅野光亮の劇伴も見事だった。昨日今日のテレビ制作者がパクリとは言えなくても同様の手法を使った場合、観客はシビアに鑑定せねばならない。

(黄蘭)

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