2024年 4月 26日 (金)

<黄金を抱いて翔べ>
井筒監督念願の「高村薫サスペンス」大手銀行地下の金塊狙う6人の男!強奪成功するか?

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(C)2012「黄金を抱いて翔べ」製作委員会
(C)2012「黄金を抱いて翔べ」製作委員会

   日本推理サスペンス大賞を受賞した高村薫のサスペンス小説を井筒和幸監督が映画化した。妻夫木聡が主人公の幸田を演じ、その友人が浅野忠信だ。西田敏行や井筒映画の常連になりつつある桐谷健太などの個性的な俳優陣に加え、東方神起のチャンミンが爆弾工作員モモ役で出演している点も見どころである。

ひとクセもふたクセもある連中のノンストップエンターテイメント

   舞台は大阪。裏社会で調達屋として生きる幸田(妻夫木聡)は、20数年ぶりに故郷に戻ってきて、大学の同級生・北川(浅野忠信)からある計画を持ちかけられる。大手銀行本店地下に眠る240億円の金塊強奪計画であった。システムエンジニアの野田(桐谷健太)、北川の弟・春樹(溝端淳平)、爆弾のプロでスパイのモモ(チャンミン)、元エレベーター技師で目当ての銀行で勤務経験のある斉藤(西田敏行)というメンバーが揃った。こうして6人の大胆不敵な計画が幕を開けた。

   「われわれの結束はただ金塊によって生まれしものなり」。リーダー北川が言うように、メンバーは金塊を強奪するという目的のために結集した。ところが、計画を進めていくうちに芽生えていく友情が、肝心の計画を狂わせていくというのが前半部分の肝だ。男たちの行き場のなさが、この映画が井筒作品なのだと気づかせてくれる。高村薫と井筒和幸の相性は素晴らしい。

   反面、クライマックスの金塊強奪シーンは男たちのやるせなさに浸ってる暇なんてない。井筒演出が光り、まさにノンストップエンターテイメントである。アメリカのヒットドラマ『24』シリーズのように時間軸に沿うようにほぼノーカットで強奪シーンを描き切っていく。細部にこだわるのは井筒監督なりの原作へのリスペクトだ。20年以上前に原作と出合い、「いつか必ず映画にしたかった」と語っている。

   原作ファンは必見!加えて、東方神起チャンミンファンも観て損はないだろう。メインキャラクターが全て男という男臭い映画の中に出てくるチャンミンは、韓流ファンを引きつけている一種の色気がある。

野崎芳史

おススメ度☆☆☆☆

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