尾野真千子ド迫力で演じ切った清張法廷劇「育ち悪くゲスな女」見事!

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「松本清張没後20年特別企画・疑惑」(フジテレビ)2012年11月9日21時~

   何度も映画化、テレビドラマ化された「鬼クマ」こと鬼塚球磨子の保険金殺人(?)疑惑の顛末である。1点だけ、担当弁護士の佐原千鶴になる常盤貴子がどうにも物足りなかったが、それを補って余りある尾野真千子のド迫力で、見ごたえある法廷劇に仕上がった。
   白河福太郎(柄本明)が若い後妻の球磨子と一緒に埠頭から車でダイブして死亡するが、球磨子は脱出し、岸に泳ぎ着いて助かる。多額の保険金が福太郎に掛けられていたために、球磨子の保険金殺人だと彼女は逮捕される。ワイドショーの格好の餌食にされて騒動となるのだが、弁護士の佐原(常盤貴子)に対して、球磨子はやっていないと頑強に無実を主張する。しかも、彼女は心を開かず協力的でないばかりか、いちいち突っかかるような反抗的態度で、佐原もなかなか親身になれないし、弁護人として悩みもする。
   白河家に初登場した時から、「財産目当てだ」と福太郎の息子たちに毛嫌いされていた球磨子の、ゲスな態度物腰を含めて、法廷での罵詈雑言など、育ちが悪く、1人で突っ張って生きてきた下積みの女の強がりを尾野は誠に鮮やかに演じ切る。無罪を勝ち取った後、海辺で佐原は球磨子に「凄いよね、おたく」と吐く意味深な言葉が効いている。海に投げた真っ赤なバラの花束には、福太郎が球磨子に贈った安物の結婚指輪がリボンにつけられていて、球磨子の深層心理は誰にもわからない、を暗示している。余韻のある幕切れだ。

(黄蘭)

採点:1.5
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