2024年 4月 20日 (土)

投票日までもつのか!?張り子の虎ばれた「日本維新」嫌われ方とカネのなさ

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「私たちから橋下さんに合流お願いあり得ない。石原さんも一緒」(平沼・太陽の党共同代表)

「これだけ、我々の考えと維新が合わないのであれば合流は難しいと思っていますよ。やってみなきゃいかんとも思っているけれどもね。
   次の総選挙が『いつ』というのはわからないけれども、『近いうち』と言っているからやるんでしょう。でも、すり合わせが間に合わない可能性はあるわな。
『小異』とは言い切れない差に加えて、橋下さんの知恵袋で竹中平蔵さんなんてついてたら、まとまらないんじゃないかなあ。(竹中氏の)金融を中心とした経済というものに対しては反対なんですよ。最後の一人まで郵政民営化に反対をしたのは私です。だから自民党を追放されたのですからね。そういう線は譲りたくないと思っている。
   日本維新の会が話し合いに応じるというから、やってみましょうというだけのことですよ。うちの園田(博之)幹事長が会見で、『いろいろ話し合って、その選択肢に合流があるのならば、それは否定しませんよ』と言いましたが、その程度です。私たちから橋下さんに合流をお願いすることはないですね。
   石原さんが我々を捨てて行動することはありえません。私と38年つきあっているんだから、こっちにスタンスを置きますよ。一部オープンになっていますが、今週、石原さんを中心に党を作りますよ」

   こう「週刊アサヒ芸能」で語っているのは「たちあがれ日本」の平沼赳夫代表である。ほかの週刊誌は扱わないが、一時は総理とまでいわれた人である。この人の言い分を載せたアサ芸の見識を評価したい。

   このインタビューは石原慎太郎前東京都知事と「太陽の党」結成を発表する前だが、橋下徹大阪市長との会談の時の屈辱を吐露し、この人らしい正直なものいいで橋下との連携の難しさを語っている。これを読む限り、次期衆院選に向けて日本維新の会など第三極の結集を目指すという石原の「大同団結」は内憂外患、難しかろう。

「やっぱり資金捻出できない」選挙下りる維新候補者続出の可能性

   野田佳彦首相は安倍晋三との党首会談で「解散する」と明言し、総選挙へ走り始めたが、想定内だとはいうものの、大多数の議員たちは内心大あわてであろう。「週刊新潮」の巻頭の見出しは「断末魔の『年内解散』」。内容はともかく見事である。この中で、解散に踏み切ったのは「約束は守る『良い人』でいたいから」だと、野田に近い民主党関係者が語っている。

   しかし、その結果は惨憺たるものになるという見方が多い。TPP参加をマニフェストに明記すれば、さらに十数人の離党者が出てくる。そうすると、時間的にその選挙区へ候補者を立てられないから、「仮に60以上の空白区を抱えたまま総選挙に突入したら悲惨ですよ。当然、比例区にも影響が出る。(中略)当選できるのはせいぜい60名程度。180人は落選すると言われています」(民主党関係者)

   逆に浮かれているのは安倍総裁。早くも「組閣名簿」を周囲に漏らしているというのだ。官房長官に側近の菅義偉幹事長代行、外務大臣に谷内正太郎元外務省事務次官、財務大臣に盟友の麻生太郎元総理だそうだ。

   二審で無罪になった小沢一郎「国民の生活が第一」代表だが、こちらは年内選挙だと政党交付金がゼロだから「カネの問題が重くのしかかってくる」(政治部記者)そうだ。同じように「日本維新の会」も支持率低下と選挙資金の捻出で頭が痛いと書いている。

「240人を擁立するには、供託金だけで7億2000万円が必要。維新にはそんな資金力はないので、橋下さんは候補者自身で賄うことを求めている。が、いざ選挙となった時、『やっぱり資金が捻出できない』という人が続出し、候補者の数が減る可能性もある」(市政担当記者)

   総選挙後、野党に転落した民主党の顔になるのは細野豪志政調会長だと読んでいる。政調会長に決まった直後に、若手・中堅議員十数人を集めて勉強会=派閥をつくっているそうだ。今回の解散総選挙はさらなる政界混迷の始まりになるようである。

都知事選「猪瀬直樹楽勝ムード」に待ったかける宇都宮健児の信頼感

   総選挙も気になるが、都民としてはポスト石原がどうなるのかに関心がある。石原が後継指名した猪瀬直樹副知事に松沢成文前神奈川県知事、宇都宮健児日本弁護士連合会前会長も出馬表明し、東国原英夫前宮崎県知事もギリギリで出るのではないかといわれている。

   争点は長きにわたった石原都政をどう評価するのかということになろう。「週刊現代」によれば、石原辞任直後に自民党東京都連が電話で3000人の緊急調査をしたそうである。猪瀬副知事がダントツトップで約50%の支持を得て、2位の東国原前宮崎県知事が約10%、次いでキャスターの安藤優子、小池百合子元環境相だったと全国紙の政治部記者が語っている。

   現代も各界50人の著名人に「誰が都知事にふさわしいか」をアンケートしている。最も支持を集めたのはやはり猪瀬副知事で14票。2位には舛添参議院議員と宇都宮弁護士で7票。東国原前知事は1票しかなかったという。猪瀬副知事の支持理由は、実務経験、行政への理解度、問題意識の高さだそうである。注目は、石原都政を評価したのは16人で、6割近くが批判的。その人たちは宇都宮を支持しているという点だろう。

   自民党は猪瀬支持。自民党都連もほかに候補を見つけられないからと消極的支持に回るらしいから、いまのままなら猪瀬対宇都宮という構図になるのではないか。猪瀬楽勝ムードと見る向きが多いようだが、石原都政の負の遺産も数多くある。今回は出馬を見送った舛添参議院議員のインタビューは傾聴に値する。

「石原都政というのは、一言で言えば、常に仮想敵を作り、『敵と戦う正義の味方』の面をする典型的なポピュリズム政治でした。例えば、銀行を敵にして外形標準課税を導入し、分が悪くなると新銀行東京を創設しました。ところが1500億円もの損失を出しても、まったく責任を取ろうとしない。
   私が厚労相を務めていた時代には、都の社会保障を『税金の無駄遣い』と一刀両断して大幅カットし、社会保障の現場を大混乱に陥れた。私は個人的にも母親を介護した経験がありますが、単純な利害得失で図れないのが社会保障というものです。それなのに石原都知事は、弱者の視点に立つということができない政治家でした。そして最後は『悪の中国』という世論を喚起し、都の経済をメチャクチャにした。それにまんまと煽られた野田政権も問題ですが、問題の発端は石原前都知事です」

   12月16日投票は衆議院選と同日になるから、脱原発、消費増税、日中関係が争点になれば、意外な猪瀬苦戦もありうるのではないだろうか。

立川談志一周忌「可愛がってたからって早すぎるよ。中村勘三郎連れていかないで!」

   さて、きのう14日(2012年11月)に国民栄誉賞を受けた女優・森光子(92)が亡くなっていたのがわかった。ロングランした「放浪記」の舞台は私も見たが、貧しさに負けない女のたくましさと可愛さを演じて、なかなかのものだった。 一度だけ麻布十番のイタリアンレストランで、恋人と噂された東山紀之と一緒にいるところに出合ったことがある。仲のいい様子が、少し離れたテーブルからでも窺えた。冥福を祈りたい。

   もうすぐ(11月21日)立川談志師匠が亡くなって1年になる。早いものだ。毎年この頃になると、きょうの高座で「芝浜」をやってくれるかなと期待しながら落語を聞きに行ったものである。

   私事で恐縮だが、談志師匠を偲んでプロデュースした本『立川談志を聴け―涙がこぼれた「富久」を私は一生忘れない』(山本益博・プレジデント社)が今週初めに発売された。中で私と山本さんとで、師匠の思い出を語り合っている。談志師匠は若い人たちを可愛がった。「爆笑問題」の太田光もそうだが、一番可愛がり、人間としても役者としても評価していたのは中村勘三郎だったと思う。

   その国民的な歌舞伎役者・十八代目中村勘三郎が病気で、それも重篤だというのである。新潮によれば、勘三郎は今年6月に食道がんが発見され、7月には無事手術も終わり、経過良好と見られていた。ところが急変し、その病院では設備が整っていないために転院したというのだ。勘三郎はARDSを発症し、心肺停止に陥る恐れがあり「エクモ」を使うためにICU(集中治療室)に運ばれた。

「『ARDS』とは『急性呼吸促迫症候群』の略称。『エクモ』とは、体外式膜型人工肺という医療装置のことだ。今年9月、いつ心肺停止に陥るやもしれぬ重篤な急性呼吸不全でこのICUに担ぎ込まれてきた患者こそ、他ならぬ勘三郎、その人である。彼がこの7月、食道ガンの切除手術を受けたことはご承知の通り。だが、施術した病院から、新たに別の病院へ転送されていた事実はほとんど知られていない。一体、何があったのか。転院先の大学病院の関係者が明かす。
『勘三郎さんは、手術後、重い肺炎に羅ってしまったのです。その後、さらに重篤なARDSを発症し、もはや酸素マスクや人工呼吸器など、肺に酸素を送り込む器具では酸欠状態が改善できず、予断を許さない容体に陥りました。これは肺で酸素と二酸化炭素を交換する場所である肺胞が浮腫を起こして機能しなくなり、『肺水腫』となる病態を指します。そこで体外に導いた血液に、直接、酸素を送り込む人工肺のエクモを使うことになったのです』
   このエクモ、国際的な運用指針では、人工呼吸器による治療で低酸素状態が治らず、死亡率が8割以上と想定された時に使用を決断するとされている。いわば人工呼吸のための『最終手段』といった代物だ」(新潮)

   談志師匠と同じ病気だ。師匠が「寂しいからお前も来いよ」と呼んでいるのではないか。だが、まだ勘三郎は57歳。早すぎるよ、師匠。もう少し待っててください。そう祈らずにはいられない。

   勘三郎は女性にモテることでも当代一流だった。

「『遊びは芸の肥やし』とよくいう梨園の世界だが、その中でも勘三郎のモテぶりは海老蔵を凌駕するとさえ言われる。過去に浮名を流した相手として、道ならぬ恋に悩み、泥酔の末、京都のホテルで自殺未遂騒動まで起こした宮沢りえがよく知られている」(週刊新潮)

   それ以外にも牧瀬里穂や米倉涼子などとも浮き名を流した。事務所の社長がこう語る。「急性呼吸不全を発症したのは、8月末です。一般に生存率が50~60%以下だと言うのもその通り。この病気には薬もない。でもね、肺以外はいたって健康なんです。だから本人も必死になって復帰を目指し、頑張っているのです。ご飯を自力で食べられることもあるんですよ」

   新潮も勘三郎の回復を祈り、こう結んでいる。「勘三郎本人は寝たり覚めたりで、意識清明と混濁状態を繰り返す日々とされる。万一を案じ、病院につめている家族・親族が見守る中、苦悶の病床で強い意志のもと、懸命に生きる勘三郎。本人はもちろん、家族や関係者は今も奇跡を信じているのである」

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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