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都知事選でどうなる?五輪招致―猪瀬「1回で通った国ない」、宇都宮「ゼロベースで見直し」

   来月16日(2012年12月)の衆院選と同時選挙になった都知事選の立候補予定者が出そろった。「とくダネ!」は有力4候補を集めて東京の未来を語るというアイデアは悪くないのだが、なんと1時間半もやった。

   司会の小倉智昭は「『特ダネ!』は全国放送です。『なんで都知事選なんだ』といわれるかもしれませんが」と、あえて取りあげたわけを並べた。人口は1321万622人(10月1日現在)、日本のGDP5兆ドルのうち2割が東京で、これは韓国やメキシコのGDPを上回る。財政規模もノルウェーやインドネシアの国家予算より上だ。「だから、東京が風邪引いたら日本中どころか、世界中が風邪を引く。全国のみなさん、都知事にだれがなるかにご興味を持っていただきたい」という。

石原路線継承か都政刷新か

   出馬表明している4人がアイウエオ順でキーワードを披露した。石原路線継承をいう猪瀬直樹副知事(66)は、「東京は日本のダイナモ(心臓)です」として「東京の安心安全」。「新しい産業の起こし方も含めて、東京が日本の支えだ」という。脱原発、脱石原を掲げる日本弁護士会の前会長・宇都宮健児氏(65)は「ひとにやさしい東京」。石原都政は福祉が切り捨てられ弱者に冷たかったので、「住んでてよかったと思える町に」したいと話す。

   元衆院議員の笹川尭氏(77)は「世界一の東京」。元自民党総務会長という国政の経験を踏まえ、「世界一安全な町にする。お年寄りに優しい、町に緑を」 などなど。前神奈川県知事の松沢成文氏(54)は「東京改造大作戦」を掲げた。肥大化した都庁の行政改革、リストラ、現業部門の民営化、事業の見直しを進める。浮いた資金を未来への投資に当てるとPRした。

   田崎史郎(時事通信解説委員)「石原都政へのスタンスの違いがわかる」

「イギリスは金メダル29個で成果」「スポーツ好きだが環境破壊」

   13年間続いた石原都政だが、置き土産の2020年の東京五輪はどうなるのか。7年前には約100億円かけた招致に失敗している。今回は一次選考を通っているが、これを継続するかしないか。宇都宮だけが「継承しない」だった。猪瀬は「ロンドン五輪のパレードやったら50万人が集まった。日本は野球とサッカーになりがちだが、いろんなスポーツに広げたい。イギリスはそれをやって29個の金メダルをとった。招致だって1回で通った国はない」

   対して宇都宮は「スポーツは大好きだが、大規模開発とつながる。環境破壊になるし、ビジネス化している。ゼロベースで見直す必要がある」という。これに松沢が「一次選考を通っているのに、決勝でやめられないでしょう。確実に招致したい」

   コメンテーターの為末大(元五輪選手)は「施設はもうあるんだから、むしろ五輪の後に東京に何が残るか。これが大事で選手も関心がある。(都知事選の)争点になるだろう」 という。招致競争の相手、マドリード、イスタンブールに比べて東京は一般の支持率が低い。調査のやり方が悪いからだとか、まあ、いろいろ声はあった。