広がる「先生のハケン」1コマなんぼで契約―職員会議、部活、生徒指導は別料金

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   いわゆる「派遣問題」がクローズアップされたのはもう一昔前のことだが、今、教師という職業で「派遣」が広まっているそうだ。これは教育の自由が尊重される私立学校でのことであって、お上の統計調査などはまだないが、教師専門の派遣会社がいくつも存在するなど、近年どうも派遣教師が多いらしいという。

学校側は「給料安いしすぐクビ切れる」

   「教師の非正規雇用化」ということなら、期間限定雇用の非常勤教師というのが昔からある。それが派遣教師となると、何が違うのだろうか。「クローズアップ現代」によれば、非常勤講師は学校が直接雇用するもので、学校にしてみれば採用にかかる労力や時間も大変だ。しかし派遣ならば、すべて派遣会社がやってくれる。急な欠員が出たときも、必要なセンセイが即来てくれるのでありがたい。

   ただ、そうした利用の仕方ばかりではない。コスト(人件費削減)や雇用の調整弁として使われ、簡単に切り捨てられる「派遣問題」ももちろん発生する。「直接契約(の非常勤)では生徒や保護者とのつながりも出てきて、経営の都合だけでは切りづらいが、派遣は派遣会社との契約関係」(高校で採用を担当する教師)である。学校側は自分の手を汚さなくて済むというワケだ。派遣教師の給与自体、非常勤より5~10%安いそうで、経営難から派遣教師に頼る学校もあるそうだ。

「特進クラスは専任教師、一般クラスはハケン教師」使い分ける高校

   こうした派遣教師は1コマなんぼの契約をしており、気になるお値段(給与)は通常1コマ2000~3000円で、クラス担任、部活、生徒指導などは契約次第。そうしたものは一切やらないケースもある。職員会議への参加も別料金になるので、参加しない(させない?)ことも少なくない。

   派遣教師として働く人たちのなかには、少子化で教員採用が狭き門となるなか、「キャリアを積むステップとして『利用』している」とウィン・ウィン的な捉え方もあれば、「身分が安定しない不安があり、授業に集中できない面はある」「契約に縛られて、生徒とのコミュニケーションが十分に取れない」といった声もあった。

   ある高校では、派遣を利用した「選択と集中」に励んでいるらしい。3組ある特進クラス(難関大学進学を目指す特別なクラス)のみ専任教師を配置し、残りの9つの一般クラスの授業は派遣と非常勤が大半で、なかには派遣が半数のクラスも見られるという。

   「特進クラスはほぼ同じ教員が3年間面倒をみる。一般コースの生徒たちは先生が来年いるかどうかわからない」(この高校の専任教師)状況で、一般の生徒たちには被差別意識が強まっているという。

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2012年11月20日放送「広がる『派遣教師』教育現場で何が」)

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