日本中の道路、橋、施設…ガタガタ!「笹子トンネル事故」また起こる

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   2日午前8時頃(2012年12月)、山梨県の中央自動車道・笹子トンネル内で突如コンクリート製の天井板が崩れ落ち、ワゴン車、トラック、乗用車3台の車が下敷きとなり9人が死亡した。コンクリート製の天井板と隔壁、合わせて330枚がドミノ倒しのように落下した。

笹子トンネル天井板落下「35年使い続け、目に見えない腐食」

   衝撃的だったのは崩落の瞬間だ。現場を走行していたNHK甲府放送局・後藤記者は、「車でトンネルの真ん中付近に差し掛かったとき、コンクリート製の天井板が生き物みたいに、蛇がうねるように崩落して来ました。助手席に同乗していた妻はコンクリート片を避けるように運手席側に倒れ込んできました。車を止めたら下敷きになると思い、アクセルを踏み続け、コンクリート片をはじき飛ばすように走り抜けました」と生々しく語る。

   下敷きになった車の数台後ろを走っていた鈴木智弘氏は、「前の車が止まったので何が起きたのかと降りてみたら、トンネルの天井にポッカリと大きな穴が開いていた。まさか、こんな物が降ってくるとは想像もできなかった」という。

   キャスターの国谷裕子「吊り金具はトンネルの外壁に埋め込まれたアンカーボルトに固定されていました。このボルトの周辺が事故直前にどうなっていたのか。崩落の前兆をなぜ掴めなかったのでしょうか」

   大阪大学・谷本親伯名誉教授は「中央高速が開通して35年になります。その間に、大量の排気ガスが天井裏から排出されていて、地下水の浸透や車の振動もあります。目に見えない腐食が進行していたのではないでしょうか」と分析する。

経済成長期の構造物「技術寄せ集めで全体的な安全性わからない」

   ゲストの濱田政則(早稲田大学教授)は「中日本高速道路は定期的に安全検査をしていたといいますが、天井内部の安全チェックはしてこなかったようです。吊り金具はボルトで押さえられていたが、地下水が浸透すればボルトの押さえは効かなくなります。安全チェックの基本が目視では、天井内部で何が起きていたのかわかりません」と話す。

   国谷「事故が起きたトンネルと同じような構造のトンネルが全国に49か所あります。これらのトンネルの総点検が急がれるのでは」

   濱田「一斉に点検するというのは難しいでしょう。コストも掛かれば人手も必要になります。優先順位をつけ、安全を確認するという方法を選択せざるを得ません。

   経済成長期に作られた構造物は、ライフラインを含めていろいろな技術の寄せ集めの物が多い。全体的な安全性がどうなっているのか。そこから検証する必要がありますね」

   日本中のインフラがガタが来ているということだろう。原発もそのひとつというわけだ。公共投資は新しい道路や橋、施設を造ることばかりに向けられてきたが、今後は補修、改築、維持が重要になってくる。

ナオジン

*NHKクローズアップ現代(2012年12月3日放送「突然の崩落はなぜ~緊急報告・中央道トンネル事故~」

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