大震災がれき154万トン間もなく米西海岸漂着!カキ養殖直撃、漁船衝突
東日本大震災とそれに伴う原発事故も喉元過ぎたというわけなのか、「原発を取り戻そう」とばかり、「日本の原発(技術と現場)力は国の宝でこれを捨てるのは間違いだ」などという主張を堂々と開陳する専門家センセイが、テレビなどにも登場する始末だ。
費用や人手、外来種による生態系破壊など「日本の責任」
日本人が大震災と原発事故を過去のものにしようとしても、海の向こうのカナダや米国ハワイ州、アラスカ州、西海岸などにとっては、震災の漂流物の問題がこれから本番だそうで、ずいぶんと時差がある。震災の漂流物が太平洋を渡ったという話は、日本でもこれまでたびたび伝えられた。だが、「クローズアップ現代」によれば、それらは重さの比較的軽い、流れに乗りやすいモノなどが先行して着いたのであって、「本体」に当たる154万トンはこれから本格的に漂着する見込みだそうだ。
現地では費用や人手の問題のほか、外来種による生態系の破壊が恐れられている。オレゴン州では、漂着物から名産のカキ養殖に深刻な打撃を与える「群体ボヤ」が見つかった。流れてるうちに細かく砕かれたプラスチックも問題で、これが魚や鳥に取り込まれ、ひいては人間に取り込まれるかもしれない。
また、漂流物が「漂着しない」問題もある。清野聡子・九州大学大学院准教授が言うには、漂流物は海岸近くまで流れていっても、漂着するとは限らない。循環しながら海をさまよい続けて、回収ができないと、これも困るのだという。暗礁のように見えにくい漂流物に、沿岸近くの漁船などが衝突したりスクリューが折られる危険もある。
現在は「1度に出た漂流物としては過去最大の量で、これがどう流れるのかを見守っている」(清野)とのことだが、これまた2、3年経てば「何だ、たいしたことはなかった」と大部分は忘れることになるのだろうか。
ボンド柳生