達者な堺雅人、可憐な多部未華子でもゲテモノ臭ぬぐえず…逆転男女の純愛だけでは苦しい!

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「大奥~誕生 有功・家光編 最終回」(TBS)2012年12月14日22時~

   劇画で大当たり、映画でも話題の男女逆転の大奥物語。同局のヒットメーカー磯山晶のプロデュースにして、神山由美子の脚本、第1回から見ていたが、結局、終わってみればゲテモノ臭なきにしも非ずだった。大奥総取締の春日局の命令で、京都から連れてこられた僧侶の有功(堺雅人)とその弟子・玉栄(田中聖)が、策略で還俗させられる初回はまあまあ面白かった。疫病(赤面疱瘡)で本物の家光が死んで、世継ぎがいなくなった将軍家では、家光が江戸城外で作った姫(多部未華子)を最初は男装させて家光に仕立てる。
   春日局の死後、有功は大奥総取締になり、最後は愛する家光も病死して、彼女が残した3人の姫のお世継ぎ問題を抱えて・・・という終わり方である。堺雅人も達者、多部未華子も可憐、この2人の愛の物語らしいのだが、如何せん、頭の底に史実と異なった男女逆転のフィクションが引っかかっていて没入出来ない。また、父親の違う姫を3人産んだ家光が、有功を愛しているが故の奥底の懊悩を描くでもなく、一体何を言いたかったのと最後までわからずじまい。
   TBSの時代劇では「JIN~仁」というSFチックな成功作品があったが、あれに比べると、「大奥」は今一つ説得力が足りない。「仁」のように自己犠牲の上に立って人類を救うという普遍的な大テーマがなく、男女の純愛だけでは弱すぎた。絢爛豪華なセットは見事でも、肝心の人物に共感できなければ、ただの不自然なゲテモノと取られても仕方があるまい。美男(?)堺を眺めただけ。

(黄蘭)

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