2019年 12月 10日 (火)

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富山老夫婦殺人・警部補の犯行告白 2年半も掲載しなかった「週刊文春」に重大疑問

   文春に気になる記事が出ている。2010年4月に富山市で起きた老夫婦殺人放火事件で、富山県警警部補加野猛容疑者が逮捕されたが、彼が事件の2か月後に文春に犯行を認める「手記」を書くというCD-Rを送付し、高額で買わないかともちかけていたというのである。

   新聞各紙も報じているが、文春は誌面でこの全文を掲載している。中には遺体の位置を記した略図があり、これを富山県警に見せれば自分が犯人だとわかると書いている。文春も当時、真贋を確かめるため富山県警に取材を行い、見取り図を見せたところ、県警の反応は「犯人、および警察、消防の一部関係者しか知りえないことが書いてある」というものだったという。だとしたら、文春はその時点でなぜ記事にしなかったのだろう。「鬼畜のような殺人放火犯から来た手紙 独占公開」とでもやりそうなものだが。

   その後、犯人からの接触はなかった。県警からはCD-Rの任意提出を継続的に求められたが、拒否してきたという。情報源の秘匿。情報提供者からの信頼を失い、今後の取材活動に支障をきたすからだという理由だ。だが、県警は事件が解決しないために焦ったのだろう、事件から2年以上がたった昨年8月に任意ではなく差し押さえに踏み切った。

   これほど遅かったのはなぜだろう。このCD-Rを送り付けたのが犯人に間違いないと思ったのなら、文春側と何らかの取り引きをしてでも手に入れなかったのか。もちろん編集部側が拒否していたためだろうが、2年以上も時間がたってから差し押さえに踏み切るというのは、やり方はもちろんだが、県警のやる気を疑いたくなる。

   しかも、専門家がCD-Rを分析したところ、データ上に「カノタケシ」という名前が残されていたというのである。いろいろな報道によれば、加野と殺された夫婦とは親しかったそうである。なのに、文春によれば「そこから県内外の多くの『カノタケシ』をリストアップし、一人ずつ検証する捜査が始まった」というのだから呆れる。殺された夫婦の交友関係も調べていなかったのか。バカバカしくて涙が出てくる。

   犯人は罪もない夫婦を殺し金を奪った上に放火までした。その上、週刊誌に持ちかけて犯行をほのめかす手記でも金を稼ごうとした卑劣犯である。CD-Rを渡さずとも捜査に協力して、もっと早く逮捕されるような方策を考えられなかったのだろうか。

   取材源の秘匿はもちろん大事だ。だが、この加野のように、明らかに真犯人だと思われる人間の手記を載せるために編集部が金を払うことはないはずだ。話した後に自首するとか、事件が時効になっていれば別だろうが。

   取材源の秘匿は絶対不可侵ではない。すでに名誉毀損裁判などでは、取材源の秘匿は多くの裁判官によってボロ雑巾の如く打ち捨てられているではないか。富山県警のお粗末さがハッキリ分かる記事だが、取材源の秘匿というメディアにとって重大な問題を考えさせられる記事でもある。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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