<大野いとの高校サッカー魂 準々決勝ハイライト>
高校サッカー見たいのはそこじゃない!負けチームの落胆、怒り、友情こそキモ

印刷

   高校サッカー選手権はいまや冬の風物詩で、選手権といえば「最後のロッカールーム」。そう言い切れるほど、中学高校時代からお世話になった番組なのだけれど、近年パワーダウンは否めない。その日に行われた試合のハイライトに注目選手のエピソードを織り交ぜ、最後に「最後のロッカールーム」と称して負けチームの控室にカメラが入る。高校サッカーが終わった直後の選手に、監督が放つ檄、感謝、涙が相まって間違いなく泣ける。

女性タレントの「応援マネージャー」小芝居や熱いメッセージ余計

   なんだけど…。応援マネージャーなるものを登場させてから、雲行きはどんどん怪しくなってきている。初代マネージャーの堀北真希も、2代目マネージャーのガッキー(新垣結衣)も女優としては大好き。でも、この二人が売れに売れたせいで、若手女優のステップアップのステータスとなったこのポジションが、かえて「本当に必要?」という印象になってしまったのだ。とくに、「最後のロッカールーム」の尺を圧迫してまで放送される彼女たちの小芝居については理解できない。

   教室風のセット、あるいは部室風のセットに、制服姿の応援マネージャーがたたずみ、「最後にピッチで笑えるのはたった11人…後悔だけは残すな!」みたいな熱いメッセージを、ナレーター風に棒読みする。これが番組中にがんがん挟まれるのだけれど、いただけない。熱いメッセージはそれまでの努力や苦労が前提としてあるから「クサくてもOK」なわけで、サッカーに縁がなく、たまたまマネージャー役に起用された女優さんがクサい台詞を一生懸命読んでも、「なんだかなぁ」と思ってしまうわけです。それなら、普通に応援マネージャーによるインタビューでもした方が良いのでは。

   しかし、「今までの試合を見て印象に残った、頑張ってほしい選手は?」と聞かれた絢香(応援ソング提供)とガッキーが、ともに「あ、乾選手(日テレが張り付いていたスター選手)です」と答えた第85回大会のことを思い出すと、それも難しいかなあ。たしかに、VTRでは乾選手が一番格好よく見えたけれど、試合会場で選手たちと言葉を交わしたって前振りがあった二人なのに、そんな答えでどうなのよ…と思った記憶がある。

「最後のロッカールーム」コーナーもっと見せて!

   なんだか応援マネージャーのアンチみたいになってしまったが、本当に伝えたいのはそこじゃない。ロッカールームの尺をもっと伸ばしてほしい!見たいのは選手の肉声なんだってば!数年前、正キーパーが2年生というチームが、PK戦で負けてしまったあとの「最後のロッカールーム」は今でも忘れられない。自分のせいで先輩たちの高校サッカーが終わってしまったと泣き崩れる2年生を、引退が決まった3年生の主将が抱きかかえ、「次ぞ!次ぞ!」と声をかけ続けていた。声をかける主将の目にもいっぱいの涙があふれていて、けれど悔しさ悲しさだけではなく、後輩のキーパーを思いやる気持ちと信頼関係が嗚咽に滲んでいて、見ているこちらも大泣きしてしまった。

   今大会の「最後のロッカールーム」は、選手を送り出す監督のメッセージ集という位置づけのようだ。名将の言葉は確かに良い。染みる。でも、私が無条件に涙するのは、それじゃないんだよなぁ。(日本テレビ系1月6日深夜1時20分)

ばんぶぅ

  • コメント・口コミ
  • Facebook
  • twitter
コメント・口コミを投稿する
コメント・口コミを入力
ハンドルネーム
コメント・口コミ
   

※誹謗中傷や差別的発言、不愉快にさせるようなコメント・口コミは掲載しない場合があります。
コメント・口コミの掲載基準については、コメント・口コミに関する諸注意をご一読ください。

注目情報PR
追悼

お知らせ

電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中