清張もの最大の弱点「トリックが古い!」銀行常務追い落としにいまどき「車泥棒の濡れ衣」なんて…

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「松本清張没後20年スペシャル 寒流」(フジテレビ)2013年1月14日21時~

   脚本が長坂秀佳、演出が生野慈朗、主演が椎名桔平とはみんな一流である。終わりの終わりに近いところまでは出来が良かったのだが、毎度、筆者が指摘するように、この小説が書かれた時期が何十年も前の悲しさ、携帯もなければインターネットもない時代のトリックを現代にもってくるのには、どだい無理があるのである。
   大学が同期だが、片や新都銀行常務に出世している桑山(石黒賢)と、ただの支店長の沖野(椎名桔平)は共にやり手の未亡人女将・奈美の虜になる。色々あって、桐生支店に飛ばされた沖野は、奈美と桑山の密会の証拠写真まで探偵を使って入手するのだが、総会屋の大物(中尾彬)にまんまと騙されて、株主総会で糾弾するどころか、ヤクザに脅されて手打ちさせられてしまう。そこで、外車をすり替えて桑山が車泥棒になるように仕向けるが、大失敗。結局、桑山はのうのうと生き延びて、沖野の方が網走支店に飛ばされてしまったというオチである。
   現代に持ってきた失敗というのは、今であればリスクを伴う車泥棒なんぞ、不確定要素の多い復讐をしかけたりはしない。大週刊誌にネタをリーク(匿名で)するか、或いはインターネットにしつこく書き込めば、お堅い銀行はスキャンダルを嫌うので一発で桑山は挫折するはずだ。このドラマは携帯などのツールは出て来るのに、肝心のどんでん返しの所でアナログだったために、最後は「そんなバカな」とズッコケてしまったのである。

(黄蘭)

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