アルジェリア襲撃首謀者ベルモフタール「巨額資金と大量武器」で次のテロ計画

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   アルジェリアの天然ガス施設襲撃では多くの人質の命が奪われたが、指揮をした武装グループのリーダー、モフタール・ベルモフタール幹部とはどんな男なのか、そもそも襲撃の目的は何だったのか。「クローズアップ現代」はベルモフタールとかつて接触し、アルジェリア政府との仲介もしたアリ・ザウリという人物から話を聞くことができた。

身代金誘拐でこれまで80億円奪取

   アリ・ザウリはこう証言する。ベルモタフールは「若い頃は毎日モスクヘ通うまじめな若者だった。その彼が1991年に神に命を捧げるとアフガニスタンに向かったのだ。アルカイダの軍事訓練でまったく別人になった」

   2年後、アルジェリアに戻ってきたときにはイスラム武装勢力の若き指導者に変貌していた。アリ・ザウリは「彼はアルジェリアにもイスラム原理主義に基づく新しい国家を樹立すべきだと考えるようになっていた。アルジェリア政府にとって『危険な存在』に変わってしまった」と話す

   アルジェリアでは1992年から2002年にかけて激しい内戦が起こり、20万人の犠牲者が出たと見られている。この内戦でベルモフタールがどのような活動をしていたのかははっきりしないが、その後の2003年に隣国マリ北部に拠点を移し、外国人観光客や国連職員の身代金誘拐を繰り返し、80億円を奪ったといわれる。この豊富な資金を背景に、2007年にはアルジェリア各地で爆弾テロを相次いで実行した。

   ベルモフタールがさらに勢力を拡大したのが2011年の「アラブの春」だった。リビア内戦ではカダフィ打倒のイスラム勢力に加担し、カダフィ政権崩壊後の混乱に乗じて大量の武器を入手した。巨額資金と大量の武器を得たベルモフタールは、昨年末(2012年)に新たなテロ実行組織「血判部隊」を立ち上げ、その最初の作戦がアルジェリアの天然ガス施設の襲撃・人質事件だった。

名前と存在アピールするという「目的」達成

   内多勝康キャスターが「結局、武装勢力の目的は何だったのでしょうか」とゲストの保坂修司(日本エネルギー経済研究所研究理事 )に聞く。「ベルモフタールの新たな実行組織は昨年末にできたばかりで、こういう組織は自分の名前を売るため、あるいは存在感を示すために大きな事件を起こします。兵士のリクルート、他の組織を吸収するためで、人材を集めるということは、同時にお金を集める、武器を集めるということにつながっていきます。そういうことは存在価値を高めることによって可能になるわけで、そういう意味では、今回の襲撃で彼らは目的の一端を達成できたのだと思います」

   内多「存在感を高めることが目的だった?」

   保坂「そう考えるのが一番スッキリすると思っています」

   アルジェリア、リビア、マリ、ニジェール、モーリタニアなどが国境を接する一帯は、政府の支配が及ばない空白地帯となっていて、今後はイスラム武装勢力の一大温床になると分析されている。ベルモフタールも「異教徒へのミッション(攻撃)を続ける」と宣言している。

ナオジン

NHKクローズアップ現代(2013年1月21日放送「緊急報告 アルジェリア人質事件」)

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