売国奴呼ばわりされる中国「親日派」東日本大震災に同情しただけで誹謗中傷

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   このごろの日本では、なにかといえばすぐ国賊、やれ売国奴である。元政治家が中国に行って、尖閣諸島はたしかに係争地だと言ったら、あいつは国益を損なった。はい国賊だ。タレントが韓国で出産したら、このウツクしい国で子供を生まずになんで韓国で?というので、そいつも売国奴らしい(中国筋の情報)。

   「売国奴」はなにも日本国内に限った存在ではなく、どこの国にもいる。「クローズアップ現代」はお隣中国の「売国奴」を取り上げた。

日本留学希望する息子に「領土問題で日中は戦争に発展する」

   吉林省の張鶴達さんは大学で日本語を学び、日本への留学まで考えているという「親日派」だ。先頃は日本語作文コンクールで入賞もした。そんな彼は、2011年の東日本大震災の際に日本人への同情を寄せる文言をネットに投稿したところ、「お前は売国奴だ」と誹謗されてショックを受けたという。

   張さんはそうした経験をもとにコンクールの作文をつづった。日本も中国も、なにか事件があると、お互い反感と憎悪感をつのらせる。そして普段の日本、普段の中国、あるいは良いニュースには両国民とも無関心だ。「無関心のウイルス」に感染している。このウイルスをなくしていこうというのだ。

   作文の受賞式の翌日、張さんは久しぶりに帰省して、テレビカメラの前で両親に日本留学の希望を話した。このときの両親の沈んだ表情は印象的だ。まるで手塩にかけた息子が人の道から外れて、有罪判決を受けてしまったとでもいうようだ。二人は「中国と日本との関係がよくない」「領土問題は逃げ場がない。戦争に発展する可能性がとても高い」と強く反対した。

「日本国民の90%は友好的だと聞いているのに…」

   張さんは留学をあきらめるつもりはない。「戦争の可能性はほとんどないと思う。日本国民の90%は友好的だと(留学生を通して)聞いている」と話して両親を安心させようとする。二人の反応は鈍いままのようだった。

   これを見た筆者は、張さんに彼の両親に胸を張って言ってあげたい衝動にかられた。(中国で伝えられているであろうところの)日本の無関心と憎悪のウイルスはごくごく一部にすぎませんよ、安心して「普段の日本」を見てくださいと。だが、昨今の国内事情を鑑みるに、本当にそう言っていいものだろうかとも思う。情けないことに、あまり確信が持てないのである。

ボンド柳生

NHKクローズアップ現代(2013年1月22日放送「日中関係 "草の根交流"の挑戦」)

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