2024年 4月 19日 (金)

「北方領土は勝ち負けなしの引き分けで…」森・プーチン会談―2島先行ということ?

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   安倍首相の特使としてモスクワを訪問している森喜朗元首相はきのう21日(2013年2月)、クレムリンでプーチン大統領と会談し、北方領土問題についても話し合った。プーチン大統領は「安倍首相の訪問を待っている。よろしくお伝えください」と答えたという。安倍との直談判で北方領土問題を進展させたいという意味なのか。

4島一括で進まなくなった「イルクーツク声明」

   森とプーチンは2001年に、歯舞・色丹2島の引き渡しを決めた1956年の日ソ共同宣言の有効性を確認する 「イルクーツク声明」を出した。しかし、2島返還論は日本国内の世論とならず、北方領土問題は動いていない。ロシア側もメドベージェフ前大統領が国後島を訪問するなど、むしろ領有主張を強めている。そんななかで、プーチンは大統領返り咲きの昨年3月(2012年)、柔道の言葉をひいて「同意可能な妥協点は、『引き分け』だ」と述べ、これを日本側はクレムリンが動き出すサインと受け止めた。

   森は会談で「領土問題の最終解決には日ロ両首脳の決断が必要だ」と語りかけ、プーチンは「平和条約がないのは異常な事態だ」と受けた。森は「引き分け」の真意を問うた。プーチンはこれに「引き分けとは勝ち負けなしの解決。双方が受け入れ可能な解決の意味だ」と答え、さらに柔道にたとえて「隅の方でやっていてもダメ。中央で仕切り直しをしよう」といったという。

   安倍の訪ソは5月の大型連休あたりが想定されているが、その地ならしはできたとみられる。会談後、森は「これで所期の目的は達成できた」と話した。ただ、国内世論は相変わらず4島一括返還だ。違う球を投げてきたプーチンに安倍が応えられるかどうか。カギは日本の出方次第である。

5月の日ロ首脳会談で決断迫られる安倍首相

   司会のみのもんた「大きな進展はありますかね」

   外交評論の宮家邦彦氏は「このところ冷え込んでいましたからね。急には動かないでしょうが、こういう形でのコンタクトは重要です」と話す。

   みの「森さんを特使にというのは?」

   宮家「(相手側と)ウマが合う人というのは、外交では大事ですよ」

   与良正男(毎日新聞論説委員)「小泉さんがプーチンと会ったとき、オペラの話をしても、何を話しても反応がない。そこで『私は森の子分だ』といったら、相好を崩したときいたことがあるから、相当ウマが合うんでしょう」

   みの「今回の目的はなんだったんですか」

   宮家「首脳間の継続的なコンタクトの突破口を開くことでしょう」

   与良「引き分けとは2島だと思いますか」

   宮家「そこは難しいところで、急いで中身を詰めるとかえって話が進まなくなるかも…」

   みの「1島ずつでもいいから還って、最終的に4島になればいいと思うんですが」

   落としどころはそのあたりだろう。今の外務省のやり方では100年経っても返還はない。首相にそれが決断できるかどうか。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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