2019年 10月 14日 (月)

「皇太子退位で第二の人生」可能なのか?皇室典範は継承順位変更に厳しい条件

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「率直に申しあげることにしよう。皇太子さまと雅子さまは愛子さまとともに、いわば第二の人生を選ばれてもいい時期に際会しているのではないだろうか。
   皇太子さまによる『退位宣言』である。象徴家族としての重荷から解放され、新たな近代家族への道を選択して歩まれる『第二の人間宣言』といってもいい。その人生の道はおそらく芸術と文化の広々とした森に開かれているにちがいない。敗戦直後の昭和天皇による『人間宣言』、平成時代に入ってご自分の葬儀にふれられた現天皇の第二の『人間宣言』、そしてもしも皇太子さまが退位のご決意を表明されれば、それは第三の『人間宣言』として国民のこころにひびき、暖かな共感の波をよびおこすのではないだろうか。
   そして、そのように選びとられた第二の人生の生活の場として、一○○○年の都であった京都の地ほどふさわしいところはないのではないかと私は思う。天皇家のまさに父祖の地であった京都は、御所の森を中心に数々の寺社をその奥深いふところに抱え、緑したたるなだらかな山々に囲まれた美しい都であった。その地に居を移すだけで、雅子さまの病状もゆっくりと回復にむかうであろう。豊かな自然の環境に包まれ、自然な歩みのなかで快癒の実りを手にされるはずである。
   いま、皇天子さまの『退位宣言』ということをいったけれども、これは具体的には弟君、秋篠宮殿下への『譲位宣言』を意味するだろう。それがはたして、国民のあいだに、どのような反響を呼びおこすか、いまの私にははかりがたい」

   これは『新潮45』3月号に掲載された宗教学者・山折哲雄の「皇太子殿下、ご退位なさいませ」からの引用である。この一文が各方面で議論を呼んでいるようだ。『週刊現代』はその現実味はあるのかと取材している。今上天皇のご学友で共同通信記者の橋本明は「荒療治ではありますが、現実的な処方かもしれません」と賛意を表している。

英国ウィンザー公は王位と祖国捨てて愛する女性を選択

   当然ながら反対意見もあるが、皇太子が譲位することは可能なのか。皇室典範では「精神若しくは身体の不治の重患があり、又は重大な事故がある」(3条)場合のみ継承順位の変更を認めると定められている。『皇室手帖』山下晋司編集長は難しいと見る。

「男系男子による継承を運営していく上で、最も重要な規定といっていいですからね。それでも皇室典範を改正するとしましょう。国会での審議になりますが、猛烈な逆風を浴びることを覚悟してやり通す政治家がいるとは思えません。昨年(2012年)、女性宮家創設に関して政府が意見を公募したところ26万件超の意見が寄せられましたが、その多くが反対意見でした」

   『週刊文春』では皇太子の旧友がこの文への怒りを露わにしている。「もしも皇太子さまがやめたいと言ってやめられるくらいなら、とっくにやめていると思います。それほど皇太子というのは重い立場なのです。(中略)殿下が『私』に傾きすぎるという批判もありますが、自分の仕事をまっとうするなら、まず家族をしっかり守らないといけない。健全な生活があってこそのご公務なのです。どうしてその辺りを分かってさしあげないのでしょうか」

   週刊文春は公然と退位論が飛び出すような国内の空気を一掃するためにも、ご夫妻でのオランダ訪問を実現してほしいと結んでいる。

   私見だが、かつて自ら望む結婚の意志を貫き、王位と祖国を捨ててフランスに移り住んだ英国のウィンザー公のような生き方があってもいいのではないだろうか。自分が愛した女性のために皇位継承権を捨てるならば、私を含めた多くの国民は納得し、祝福するのではないだろうか。どちらにしても一番悩んでいるのは皇太子本人である。今はそっとしておいてあげようではないか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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