「皇太子退位で第二の人生」可能なのか?皇室典範は継承順位変更に厳しい条件

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「率直に申しあげることにしよう。皇太子さまと雅子さまは愛子さまとともに、いわば第二の人生を選ばれてもいい時期に際会しているのではないだろうか。
   皇太子さまによる『退位宣言』である。象徴家族としての重荷から解放され、新たな近代家族への道を選択して歩まれる『第二の人間宣言』といってもいい。その人生の道はおそらく芸術と文化の広々とした森に開かれているにちがいない。敗戦直後の昭和天皇による『人間宣言』、平成時代に入ってご自分の葬儀にふれられた現天皇の第二の『人間宣言』、そしてもしも皇太子さまが退位のご決意を表明されれば、それは第三の『人間宣言』として国民のこころにひびき、暖かな共感の波をよびおこすのではないだろうか。
   そして、そのように選びとられた第二の人生の生活の場として、一○○○年の都であった京都の地ほどふさわしいところはないのではないかと私は思う。天皇家のまさに父祖の地であった京都は、御所の森を中心に数々の寺社をその奥深いふところに抱え、緑したたるなだらかな山々に囲まれた美しい都であった。その地に居を移すだけで、雅子さまの病状もゆっくりと回復にむかうであろう。豊かな自然の環境に包まれ、自然な歩みのなかで快癒の実りを手にされるはずである。
   いま、皇天子さまの『退位宣言』ということをいったけれども、これは具体的には弟君、秋篠宮殿下への『譲位宣言』を意味するだろう。それがはたして、国民のあいだに、どのような反響を呼びおこすか、いまの私にははかりがたい」

   これは『新潮45』3月号に掲載された宗教学者・山折哲雄の「皇太子殿下、ご退位なさいませ」からの引用である。この一文が各方面で議論を呼んでいるようだ。『週刊現代』はその現実味はあるのかと取材している。今上天皇のご学友で共同通信記者の橋本明は「荒療治ではありますが、現実的な処方かもしれません」と賛意を表している。

英国ウィンザー公は王位と祖国捨てて愛する女性を選択

   当然ながら反対意見もあるが、皇太子が譲位することは可能なのか。皇室典範では「精神若しくは身体の不治の重患があり、又は重大な事故がある」(3条)場合のみ継承順位の変更を認めると定められている。『皇室手帖』山下晋司編集長は難しいと見る。

「男系男子による継承を運営していく上で、最も重要な規定といっていいですからね。それでも皇室典範を改正するとしましょう。国会での審議になりますが、猛烈な逆風を浴びることを覚悟してやり通す政治家がいるとは思えません。昨年(2012年)、女性宮家創設に関して政府が意見を公募したところ26万件超の意見が寄せられましたが、その多くが反対意見でした」

   『週刊文春』では皇太子の旧友がこの文への怒りを露わにしている。「もしも皇太子さまがやめたいと言ってやめられるくらいなら、とっくにやめていると思います。それほど皇太子というのは重い立場なのです。(中略)殿下が『私』に傾きすぎるという批判もありますが、自分の仕事をまっとうするなら、まず家族をしっかり守らないといけない。健全な生活があってこそのご公務なのです。どうしてその辺りを分かってさしあげないのでしょうか」

   週刊文春は公然と退位論が飛び出すような国内の空気を一掃するためにも、ご夫妻でのオランダ訪問を実現してほしいと結んでいる。

   私見だが、かつて自ら望む結婚の意志を貫き、王位と祖国を捨ててフランスに移り住んだ英国のウィンザー公のような生き方があってもいいのではないだろうか。自分が愛した女性のために皇位継承権を捨てるならば、私を含めた多くの国民は納得し、祝福するのではないだろうか。どちらにしても一番悩んでいるのは皇太子本人である。今はそっとしておいてあげようではないか。

小泉進次郞いとこに罰金100万円―かすり傷にもなりそうもない「有名税」

   有名人とはこれほど大変なものなのかと思わせる記事が週刊文春と『週刊新潮』に載っている。将来の総理候補とまでいわれる小泉進次郎議員のいとこが逮捕されたため、進次郎にまで火の粉が降りかかっている。

   文春のタイトルは「進次郎いとこ力也逮捕で小泉家暴露された『恥部』」。何やらものすごいスキャンダルが出たかのようだが、読んでみれば何ということはない。ホストクラブを経営していた小泉力也(29)が、風俗営業の許可が必要なのに飲食店免許のみで営業していたため、風営法違反で現行犯逮捕されたのだ。

   力也の父親は小泉純一郎元総理の実弟。進次郎や俳優になった孝太郎とは幼いときから兄弟のように仲良く遊んできたそうだ。店は夜中から朝方まで営業し、近所に迷惑をかけたり、力也は暴力団との付き合いもあったのではないかと匂わせるが、年も若いし、進次郎と結びつくような決定的なスキャンダルは出ていない。力也は2月25日(2013年)に簡略起訴され、横須賀簡易裁判所で罰金100万円を支払うよう命令を受けた。この事件、進次郎議員の経歴のかすり傷にもなりそうもない。

「パソコン遠隔操作事件」捜査当局は「猫に首輪」の映像持ってない?

   『AERA』と週刊現代が、パソコンの遠隔操作事件で威力業務妨害の疑いで逮捕された片山祐輔容疑者(30)が真犯人ではない可能性があると書いている。現代は魚住昭と青木理の対談なので、AERAを見てみよう。

   片山の弁護を務める佐藤博史は足利事件で菅谷利和の弁護を担当し、冤罪を晴らした人物である。佐藤弁護士は警察は決定的な証拠があるといっていたが、本当にあるのか疑問だというのだ。これは1月3日に江ノ島で片山が映っていたという防犯カメラの映像のことだ。当初、実際に片山がネコに首輪を付けている映像があると報じられたが、そうした決定的な場面を警察は持っていないのではないかというのである。

   もちろん、映像を警察や検察がすぐに証拠開示する必然性はないのだが、片山は江ノ島へ行きネコに触りスマートフォンで写真を撮ったことは認めているが、肝心のネコに首輪を付けたかという質問には「つけてない」と答えている。また、遠隔操作ウイルス「iesys.exe(アイシス・エグゼ)」に使われたプログラミング言語「C♯」を片山は「自分は使えない」と話しているというのである。

   これが本当なら根底からこの捜査は崩れる。彼が勤務していたIT関連会社の社長は、片山が「C♯」を使ったことはあるが、ウイルスの設計コードをいじるほどのレベルではないのではないかといっている。

   4人の冤罪者を出したこの事件。もし今度もまた犯人を間違えたなら、魚住・青木両氏がいっているように「刑事も記者も全員クビです」な。

押し寄せる「危ない輸入食品」TPP大丈夫なのか。発がん物質、禁止添加物、寄生虫…

   『週刊朝日』が「危ない輸入食品&関連品472品目」という特集を組んでいる。厚生労働省のまとめによると、2011年度の輸入食品の届け出件数は1991年度に比べると約3倍の72万950件、総重量は1000万トン近くも増えているそうである。中国からの冷凍ギョーザ中毒事件から5年が経ったが、日本の食品衛生法に違反した輸入品の数は減っているものの、体に危ない食品は後を絶たないというのだ。

   昨年6月には中国産蒲焼きから合成抗菌剤「マラカイトグリーン」が検出され、菓子類や油脂からは防腐剤「TBHQ(ブチルヒドロキノン)」、冷凍コハダや健康食品からは発ガン性が疑われ日本では約40年前に使用が禁止された人工甘味料「サイクラミン酸」が検出されている。熱帯、亜熱帯で生息するカビ毒の一種「アフラトキシン」は、1960年にイギリスで10万羽以上の七面鳥が死んだが、米国産のトウモロコシなどから59件も見つかっている。

   東南アジアを中心に、養殖水産物から抗菌剤や抗酸化剤、抗生物質などが検出される例が多いという。生食用と謳ってある韓国産のひらめから寄生虫「クドア・セプテンプンクタータ」が見つかった。日本人の好きなチョコレートも原料となるカカオ豆から「イミダクロプリド」などの基準値を超える殺虫剤がたびたび検出されている。

   また、輸入される野菜サラダやレトルト食品に使われるカット野菜は、次亜塩素酸ナトリウムやお湯で丁寧に洗浄されているため、本来の栄養分が流出してしまっているから、栄養面でも気を遣ってほしいとNPO法人「食品と暮らしの安全基金」の小若順一が話している。

   安倍晋三総理が前のめりのTPPが締結されれば、さらに大量の輸入食品が日本に入ってくるはずである。食品の安全という点でも十分な議論が必要であろう。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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