<純と愛>
最後まで時計代わりでしかなかった騒音朝ドラ!愛着わかないヒロインの不幸てんこ盛りイライラ

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   朝ドラを見るようになったのは、「ゲゲゲの女房」あたりからか。始まりが15分繰り上がり、これを見てから出社するのにちょうどよい時間で、続く「あさイチ」冒頭のイノッチと有働由美子アナの「朝ドラ感想トーク」までしっかり見てしまう。と、まあNHKの思うツボ。

   文句なく面白かったのは、「カーネーション」と「てっぱん」だ。たまに号泣して化粧をやり直さなきゃならなくなるほどハマった。それに比べると、「おひさま」と「梅ちゃん先生」はゆるくてぬるかったな。大した事件も起きなくて…。でも、井上真央も堀北真希もかわいくて、朝ドラはこれくらいのぽわーんとした展開がいいのかもしれない。お年寄りにも受けたみたいで、うちの父親も、陽子ちゃん、梅ちゃんと、毎日楽しみにしていた。私はカーネーション糸子(尾野真千子)の「チッ」という舌打ちと眉間にシワ寄せた威嚇のポーズが大好きだったけど。

同じ猪突猛進でも魅力あった「カーネーション」糸子

   さて、その流れからの「純と愛」である。何なんでしょう。ヒロイン純(夏菜)に全く愛着がわかない。朝から「うるさい」「ガチャガチャしている」と父も早々にリタイア。猪突猛進型は糸子もそうであったけど、糸子はできる女であった。店は繁盛させちゃうし、家族の面倒もしっかりみるし。しかし純はダメダメである。そのくせ「私があなたを幸せにする」って、その自信はいったいどこから来るんだ!「いるよね、職場にこういう人。なんかいるだけで周りをイライラさせる人」なんて会話を友人としながら、しかしとうとう最後まで見続けてしまった。何故だ。恐るべし視聴習慣。

   その後の展開は不幸のてんこ盛りである。勤めたホテルは乗っ取られちゃうし、実家のホテルも借金で売りに出されるし、父は事故で亡くなり、母は若年性認知症、やっと居場所を見つけた2番目の木賃宿みたいなホテルも火事で失い、ふるさと沖縄に帰り再起を図ろうとした矢先に、夫である愛(いとし)(風間俊介)がなんと脳腫瘍、開業目前のホテルも台風でボロボロ。

   ふつうは3月も半ばになったら、ハッピーなまま回想シーンなんか盛りこんじゃって、何十年後かにすっとんじゃって、穏やかに終わらせればいいじゃないか。最後の最後まで視聴者を飽きさせないというより、安心させない作りが狙いだったのか。その最後の最後になって、「死にたくない」と泣きじゃくる愛くんを見て、初めて純に感情移入してしまい、一緒になって涙してしまった私。遅すぎるか。

   次々不幸が訪れるということは、逆にいい時もあるわけで、いい時と悪い時は1、2週間ごとに交差するというジェットコースターのようなドラマだった。まさに、「禍福はあざなえる縄のごとし」。不幸には慣れっこになり、しかしこの不幸はそんなに長く続かないかもしれないという根拠のない期待。どん底の果てのポジティブシンキング? 残念ながら愛くんが目覚めないまま終わっちゃったけど、その日はきっと来るにちがいないと、純とともにひたすら祈っている。(NHKあさ8時)

(ツキノ・ワグマ)

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