三國連太郎「歴史の現場」で吐き捨てた「滑稽ですね」虚妄我慢できなかった超知識人
<三國連太郎さんをしのんで 名優の生涯>(NHK総合)

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   黒服の桜井洋子アナが出てきて重々しい口調で始まり、先頃亡くなった俳優・三國連太郎の追悼番組を放送した。三國の訃報に関しては、民放のワイドショーで息子の佐藤浩市が、巧まずして父親の事を活写していたので、NHKは考えた。誰彼に生前の三國を語らせるより、ソフトを沢山持っているので、それらを再放送しちゃえ。ここで、思わず見入ってしまったのである。
   筆者は三國というと1番に松本清張原作の内田吐夢映画、「飢餓海峡」を思い出す。実際に起きた青函連絡船の海難事故をうまく使い、過去ある名士の犯罪という原点になった作品だ。殺される左幸子が哀切だった。三國の左右がシンメトリーでない顔に、人物の影の部分が現われていて、文句なく三國の代表作の1つになった。
   今回もっと面白かったのは、長くこの局が作っていた「世界、わが心の旅」のドイツ編である。何がすごいといって、レポーターを務めた三國のセリフである。第2次世界大戦を終わらせたポツダム宣言の発せられたポツダムで、三國は建物を見てボソッという。「地球の運命を決めた3人のドラキュラ」と。さらに「滑稽ですねえ」という。確かに、いくら戦勝国とはいえ、たった3人で地球の未来まで決めたに等しいポツダム宣言は、事実として教科書で習った世代では想像もできない三國のような同時代人には違和感があるのだろう。これを見ても三國という俳優は超知識人だったことがわかる。(放送2013年4月21日13時5分~)

(黄蘭)

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