ボソボソ寺尾聰、狂気の野村宏伸…奇をてらわぬ演出!松本清張もの換骨奪胎 巧み
<水曜ミステリー 留守宅の事件>(テレビ東京系)

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   毎度指摘するように、松本清張原作のこの作品、携帯電話は出てくるわ、東北新幹線は走っているわ、高速道路のNシステムまでが出てくるので、およそ清張の原作からは似て非なるものになっているのに違いないのだが、筆者は原作を知らないので何とも言えない。これはこれで非常によくできたサスペンスドラマであった。
   サラリーマンの栗山敏夫(野村宏伸)が部下を連れて東北地方に出張中、妻の恭子が自宅で絞殺される。定年間際の捜査1課・石子隆明警部補(寺尾聰)は、夫をはじめ関係者一同にアリバイがあって捜査が難航している中で、夫の栗山に関心を持つ。結局、彼が不信感を抱いた夫の鉄壁のアリバイを崩すことに成功する話だ。
   なんだ、それじゃあ、毎度おなじみ土ワイ・レベルの謎解きかと思われそうだが、はるかに質が良い。寺尾聰のボソボソしたあの風貌とか、若い刑事(柄本佑)が休暇が取れなくて先輩刑事に食ってかかる顛末とか、妻の不倫に嫉妬にかられた夫が、殺人を告白する時の野村の狂気に迫る寂寥感とか、全体に演出がシャープで引き込まれたのである。奇をてらわない正攻法の演出だった。
   宇崎竜童(刑事)、高橋恵子(石子の妻)、戸田菜穂(恭子の妹の中学校教師)、などの脇役も豪華で、この局が相当力を入れて作ったのがわかる。もともとが短編小説だったから、膨らますのに障害物がなくて書きやすかったのかもしれない。脚本・坂上かつえ。(放送2013年4月24日21時~)

(黄蘭)

採点:1.5
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