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がっかり…アトランティスじゃなかった!ブラジル沖で海底陸地発見

   ブラジル・リオデジャネイロ沖の大西洋深海で、陸地の痕跡と考えられる花崗岩でできた台地状の地形が見つかった。ブラジルのエスタダン紙が7日付(2013年5月)の紙面で「アトランティス大陸か」と報じたが、はたして古代ギリシャの哲学者・プラトンのいうナゾの大陸なのか。

「海の中で山のタケノコが採れたような話」

   発見したのは、日本の有人潜水調査船「しんかい6500」を使った海洋研究開発機構とブラジル政府の共同調査で。水深900メートルのところで花崗岩や石英の砂も見つかった。なぜ花崗岩が大陸存在の証しなのか。筑波大学生命環境系の安間了講師によると、「花崗岩は大陸地殻の特徴的な岩石で、花崗岩が海底に存在するということは、海の中で山のタケノコが採れたような話」という。

   この海域ではこれまでも花崗岩が2つ発見されているが、通過した船が落とした可能性があるとして、大陸存在の可能性は疑問視されていた。しかし今回の調査の結果、幅約1000キロにわたる海底の台地に大量の花崗岩が見つかり、大陸が沈んだ痕跡と考えられている。

南アメリカ大陸とアフリカ大陸分裂の「破片」

   そこで連想されるのが、プラトンが自著で書き記した1万2000年前に存在し、大地震で一夜にして沈んだというナゾのアトランティス大陸。しかし、安間講師は「見つかったブラジル沖合は、昔は陸続きだった南アメリカ大陸とアフリカ大陸が分裂してできた海で、分裂の時に大陸の破片として残された可能性がある。そういったのもでなければ考えにくい」という。

   分裂があったのはおよそ2万年前だ。その一部分が大西洋上に残り、およそ5000万年前に沈下した痕跡で、プラトンのアトランティス大陸とは年代に隔たりがありすぎるというわけだ。

   実際に「しんかい6500」に乗って調査に携わった海洋研究開発機構の北里洋氏も、「ほぼ神奈川県と同じ面積に大陸の性質を持った花崗岩が分布していることが分かったが、残念ながらアトランティス大陸に限定していえば、年代が全然違う。恐竜が絶滅してしばらくたって沈んだというふうに考えている」という。

   ただ、今回の発見が地質学上の快挙であることは間違いない。北里氏は「大西洋ができたときの南米大陸とアフリカ大陸の地質学上の歴史は書き換えなくてはいけないと思う」という。

   司会の加藤浩次「こういう発見に日本の技術が利用されるってすごく嬉しいですね」

   キャスターのテリー伊藤「結局、アトランティスはどこにあるの」