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橋下徹ナマ出演「日本のやったことはお詫び」微妙に変わってきた発言

   従軍慰安婦問題や米軍の風俗活用をめぐる発言で、内外から集中砲火を浴びている日本維新の会の共同代表、橋下徹大阪市長が生中継で出演して改めて自らの考えを述べた。最初に司会の小倉智昭が「きょうは3つに分けてお話を伺っていきます。第一は国内外で大きな問題となったこと、次に従軍慰安婦問題についての真意、そして風俗活用の問題です」と述べ、「まず韓国、中国、アメリカなどの反応について」と聞いた。

「閣議では強制はなかったと決定している」

   橋下「きちんと論戦したいと思っています。僕は大前提として、日本の戦争が侵略と植民地政策であったこと、周辺国に多大の苦痛と損害を与えたことは明確に認めています。慰安婦の問題についても、現在、これを容認していることはまったくありません。ただ、戦時下において世界各国でみんなひどいことをやっていた。にもかかわらず、日本だけが特別な非難を受けている。この点について事実誤認があれば、世界に申し立てをしていかなくてはいけないと思っています」

   慰安婦については強制連行の有無が問題になるが、橋下は「国内では強制連行があろうがなかろうが、日本のやったことは反省しなければいけない。お詫びもしなければいけない。しかし、国外に目を移すと、強制連行をやったとなると、日本だけが性奴隷を使っていた、とんでもない国ということになる。強制連行を曖昧にしているところに原因がある。河野談話では認めているような、しかし、2007年の閣議決定では直接の証拠はなかったといっている」と語った。

   小倉「橋下さんは慰安婦制度は当時は必要だったことは誰でもわかるとおっしゃったが、僕にはわかりません」

「アメリカで風俗といえば買春、売春を思い浮かべる。反省すべき点です」

   橋下「歴史的事実や当時の状況をみると、その当時は必要性を認めていたんでしょうね。僕は認めませんが。元従軍慰安婦の人たちともお会いして、2度と繰り返してはいけないと言おうと思っています」

   米軍への「風俗活用のすすめ」について、小倉が「話の流れからすると、風俗利用は買春、売春に結びつくとほとんどの人が思った」と指摘すると、橋下は「表現の拙さがあった。ただ、僕は法律上認められた風俗業といったが、アメリカで風俗といえば買春、売春をすぐに思い浮かべる。これはアメリカでは絶対に認められない。反省すべきと弁明した。いや、日本でも風俗といえばセックス産業でしょ。

   約40分の出演だったが、聞き終わって、コメンテーターの古市憲寿(社会学者)は「顔色がちょっと悪かった。眉間にも皺を寄せていて、正直、参っているのかな、と思いました。ここまで海外メディアで騒がれることは想定外だったのかもしれないですね」と話す。

   中江有里(女優、脚本家)は「少しずつ発言が変わってきているように感じました。女性を性的エネルギーのはけ口と考えることが根底にあるように思いました」と論評した。

   キャスターの笠井信輔が「一連の発言でどこを強調していたかということですよね。最初は(従軍慰安婦の)必要性を強調し、きょうの発言は謝罪に重きが置かれていた」とまとめた。