2024年 4月 24日 (水)

「日本で一番美しい人」夏目雅子、原節子、八千草薫…吉永小百合がいない!なぜだ?

60歳以上はどんどんセックスって…みんなで渡辺淳一化しろってことか!?

   週刊現代、週刊ポストは一時「女性器」ばかりを特集していたが、当局からの注意があったのか、読者に飽きられたのか、見かけなくなった。今週号で両誌がともに力を入れているのが、「60歳以上はどんどんセックスを愉しめ」という特集である。週刊現代などは「一挙19ページ」も割いて「60で始めるセックスの流儀」まで載せる念の入れようである。

   これほどの大特集を組んでいるのは、それなりの読者がいるということであろう。たしかに還暦を超えても性の意欲が衰えない男性もいるだろうし、妻より若い女性とセックスしたい者もいるだろう。だが、みんながみんな渡辺淳一化しろと檄を飛ばされているようで、いささかげんなりする。

   週刊現代や週刊ポストを買い込んでバイアグラをせっせと飲み、小汚い連れ込みホテルの安ベッドでデリバリーされてくるオネエチャンを待つのは、侘びしさの極地だろう。まあ、そんな心境もたまにはいいと思うが、セックス以外にもっと楽しい老後の楽しみ方はないのかね。

   われわれの若いときは、『平凡パンチ』という週刊誌に新しい遊びを教えてもらった。パンチはアメリカで流行っているスノーボードなどの遊びを、いち早く自分たちで試してから読者に勧めていた。クルマや美女には縁がなかったが、新しい遊びには飢えていたし、貪欲に取り入れ遊んでいたものだ。

   いまは世界の距離が近くなりすぎたということもあるのだろうが、まだまだ日本人が知らないおもしろい遊びは、探せばあるに違いない。そうした「文化」をわれわれに伝える役割をもっと週刊誌が果たしてくれてもいいのではないか。これってない物ねだりだろうか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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