2024年 4月 25日 (木)

グローバル企業あの手この手の税金逃れ…英国議会スタバ事情聴取

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   昨年12月(2012年)、英国であるデモが行われた。デモに参加した若者たちは「税金を払え!」と大声で叫びながら練り歩いた。参加したスティーブン・リードさんは「友人や知人の中に、仕事に就けない人が何人もいる。政府は緊縮財政だから仕事がないといっているがそれは違う。グローバル企業が定められた税金を払わず、国外に逃げ出しているからだ」と憤慨した。国境を越えた税金逃れの租税回避は増加する一方だ。

   内多勝康キャスターは「世界的にビジネスを展開する多国籍企業で租税回避の動きが強まっています。税率の高い国から低い国へ利益を移転しているのですが、その総額は年間で数十兆円ともいわれ、税率の高い国へ大きなダメージを与えています」と説明した。

英国700店舗の利益を税金安いオランダに移転

   スターバックスコーヒー英国法人は本社を税率の低いオランダに移転した。オランダ本社には英国全土に約700店舗を展開する英国法人の利益が集まってくる。さらに、コーヒー豆の支払いのために、同じく税率の低いスイスの関連会社に2割増しの資金を送っていた。これを英国議会は税金逃れとして、スタバの幹部を議会に呼び事情聴取した。幹部は税金逃れを否定しながらも、「オランダは税率が低く、企業にとっては魅力的な国だ」と語った。

   内多は「こうした税率が低い国の他に、タックスヘイブンと呼ばれる税金が著しく軽いか、まったくない地域があります。中でも注目されているのがカリブ海に浮かぶケイマン諸島で、ケイマンには法人税や所得税がありません。そのため世界中から約9万3000社が集まっています」と伝えた。ケイマンの経済団体代表は「ケイマンがなければ、企業のグローバル化は成立しない。その結果、世界経済は疲弊してしまう」と語る。

   世界の租税システムに詳しい青山学院大・三木義一教授に、内多が「税負担行為として、今どんなことが行われているのでしょう」と尋ねた。

   三木教授「大きく分けて3つあります。1つが節税。これは庶民の間でも行われており適法です。次が脱税で、違法行為でやってはならないことです。そしてこの間に、適法だけど税に関して国の内外でおかしな動きを見せるのが租税回避です。租税回避はタックスヘイブンなどを利用した複雑な節税スキームを駆使し、税務当局の目を逃れています」

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