「吉右衛門・嘉葎雄」期待させたがわぬ名優の見応え…これぞ時代劇
<鬼平犯科帳スペシャル 見張りの糸>(フジテレビ系)

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   大スターの中村嘉葎雄がゲストで出ていたので、面白そうだと期待して見たら、期待にたがわず痛快な物語だった。火付け盗賊改め、鬼の長谷川平蔵(中村吉右衛門)と上方から来た老いた盗賊のかしら・堂ケ原の忠兵衛(中村嘉葎雄)の丁々発止。鬼平が怪しいと睨んで向かいに部下を張り込ませたところから話は始まる。
   密偵として使っている小房の粂八(蟹江敬三)は、友人の稲荷の金太郎(渡辺いっけい)が残酷な一家皆殺しの悪を働く一味に加わりかけているのを救おうとして逆に捕えられて殺されかける。一方、盗みはすれども殺しはしないヘンな仁義を守っている盗っ人の忠兵衛は、悪の情報をわざと流して結果として鬼平の味方をする。
   盗賊にも三分の理ではないが、同時進行で2つの「押し込み」が進み、危ういところで御用となるのだが、隠し持っていた床下の金を鬼平に召し上げられてスッカラカンになった忠兵衛と子分が、終り近くに野っ原で、「あーあ、この年になって無一文になっちゃった」と嘆くところや、鬼平との腹の探り合いなど、名優2人の掛け合いの面白さ。
   以前にも書いた気がするが、プロデューサーの能村庸一あっての「鬼平犯科帳」である。若い(?)サラリーマンがスタジオで撮っている大河ドラマと、時代劇の長い伝統を守っている映画畑での制作の違いが、画面から自然に湧き出てくるのだともいえる。か細くなった時代劇の火をまだまだ灯し続けてもらいたい。(放送2013年5月31日21時~)

(黄蘭)

採点:2
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