2019年 12月 15日 (日)

渡辺美樹ワタミ会長選挙に出たばっかりに…あらためて問題にされそうな過酷な労働

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   居酒屋チェーン「和民」創業者でワタミの渡辺美樹会長(53)が7月(2013年)の参院選に自民党から出馬することを表明した。本人は安倍首相から直々に要請を受けたといっているそうだが、ワタミといえば『ブラック企業』という評判が高いが大丈夫かと『週刊文春』が噛みついている。

   週刊文春によれば<〇八年六月十二日、和民京急久里浜駅前店に勤務していた森美菜さん(当時26)は、雨の降る中、社宅から六百メートル離れたマンションの七階と八階の踊り場から飛び降りた。

   彼女の死は四年経った昨年二月、労災認定された。その決定書によれば、森さんは一日十二時間から十五時間勤務で、1ヵ月あたり百四十一時間も時間外労働していたという。厚労省が定めている『過労死ライン』の月八十時間残業を大幅に上回っている>という。

   渡辺会長から社員へのメッセージがまとめられた「理念集」には次のような言葉が掲載されている。

「365日24時間死ぬまで働け」

   さらに、森さんの自殺の翌09年から昨年までに、時間外労働の上限時間を超えて従業員を働かせていたとして、労働基準監督所から10件の是正勧告を受けているというのである。ワタミの元社員がこう語っている。

<「勤務時間は夕方から明け方まで十二時間以上なのに休憩はとてれも三十分。ワタミの場合、その日の売り上げ目標から逆算して人件費の額が決められている。そのため、売り上げが少ない日は、人件費を抑えるため、社員がただ働きすることもある。私は三年いましたが、午前七時からの『早朝研修』やミーティングの後も営業し、三十六時間寝ないのがザラだった」>

   ワタミの2008年のCSR報告書によれば、社員の平均勤続年数3.3年(09年以降は平均勤続年数を公表せず)だそうだ。まさに典型的なブラック企業ではないかと週刊文春は書く。<社会問題化しているブラック企業は、解決が急がれる政策課題の一つだ。にもかかわらず、Mr.ブラック企業の渡辺氏に出馬要請した安倍首相、公認した自民党の責任はあまりに重い>と結んでいる。

   従業員6000人を抱える飲食業大手だが、実体は過酷な労働条件と搾取の構造では、威張れたものではない。参院選が近づけばもっと内情が出てくるに違いない。渡辺氏は出なければよかったと後悔するかもしれない。

アベノミクス「スタグフレーション」突入!景気低迷のまま次々値上げ

   アベノミクスの副作用が次々に噴き出している。『週刊ポスト』は消費者が気づかない隠れ値上げ商品がいっぱいあると報じている。隠さないでも、輸入原材料の高騰による値上げの多さにはただただ驚くばかりである。<まず「食」では、小麦粉や植物油などの輸入価格高騰の影響が大きい。7月1日には山崎製パンが食パン「芳醇」や「高級つぶあんぱん」など15品目を2~6%値上げし、日清製粉も「マ・マーパスタソース」のうち10品目を9~11%値上げ、味の素は8月1日出荷分から家庭用マヨネーズを6%上げる。

   水産加工品も上がる。世界的な鰹の不漁と漁船用燃料重油の値上がりなどで、水揚げしてすぐに瞬間冷凍される加工用冷凍鰹の価格は1年前の2倍に急騰。そのため、はごろもフーズは5月からツナ缶「シーチキンL」を330円から340円に引き上げ、鰹節大手のマルトモは、 6月から「削りぶし」「花かつお」などの商品を10~20%値上げする。(中略)マクドナルドはこの5月7日から「100円マック」を120円、チーズバーガーを120円から150円へと2割以上引き上げた。回転すしチェーンのかっぱ寿司はこの夏をメドに1皿94円から105円に価格を改定している>

   その上、価格を据え置きに見せて内容量を減らす「隠れ値上げ」が進行しているというのである。<日本ハムは7月からハム、ソーセージなど89品目で容量を減らし、主力のあらびきウィンナー「シャウエッセン」は1袋138グラムから127グラムになる>

   こうしたこと以外に、海外ブランドが軒並み値上げしている。ルイ・ヴィトンが2月に過去最大の平均12%値上げし、カルティエやティファニーなども値上げに踏み切っている。大塚家具はこの4~5月に輸入家具を平均4.8%値上げしたばかりだが、さらに6~7月には輸入品4400品目を平均5.9%アップするそうだ。

   さらに建設資材が値上がりしている。鋼材価格は前年比2割アップ、外壁用コンクリート、断熱材など軒並み大幅値上がり中だから、今後のマンションや住宅の建設費が大きく上がるのは間違いない。週刊ポストは、景気停滞下で物価だけが上がっていく状況を経済学ではスタグフレーションと呼ぶが、こうした最悪の事態が起こるかもしれないと警鐘を鳴らしている。

   アベノミクスの真価が問われる6月が始まった。有権者は官僚のいいなりになるマスメディアに踊らされることなく、しっかり目を見開いて真贋を見極め、参議院選に備えなくてはいけない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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