2024年 4月 25日 (木)

政府・軍ぐるみでやってる中国サイバー攻撃!日本の被害1000件は氷山の一角

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   政府機関や企業へのサイバー攻撃は、警察庁にわかっているだけでも年間1000件以上にのぼる。狙われるのは政府の機密や先端技術情報だ。盗むといってもコピーだから、何が盗まれたかの確認は難しく、盗まれたかどうかさえ気付かなかったりする。まして防御となると日本はほとんど無防備に近い状況だという。

北京のハッカーグループ「組織的に情報盗んで販売。日本政府機関のも盗んだ」

   高松にある国土交通省四国地方整備局がおととし(2011年)攻撃を受けた。道路保全担当の業務用アドレスに不審なメールが入った。「○○さん」と名指しで 、「香川県の奥寺です」。覚えはなかったが返信したところ、写真が送られてきた。その写真がウイルスだった。表面上は何も起らなかったが、パソコンにあった国交省関係900人近くのメールアドレスが盗まれたとみられる。さらに、局内のサーバーから他の職員の情報まで引き出そうとしていた。当の職員は「なぜターゲットになったかわからない。怖い」という。

   農林水産省は先月(2013年5月)、TPP交渉の機密文書が狙われ、5台のパソコンから計124点の行政文書が流出した可能性があると発表した。宇宙や防衛分野でも、ロケットなどの情報が盗まれたとみられるが、全容は把握できていない。

   攻撃を行っているのはだれか。セキュリティ会社の福森大喜さんは、ウイルス114を解析した結果、6割から中国語で作成された痕跡を見つけた。なかにひとつ、作成者欄に実在する企業名があった。山東省に本社があるIT会社だった。NHKは本社を訪ねたが、担当者は「ウイルスは作っていない。わけがわからない」の一点張りだった。

   実際に攻撃をしているという北京のハッカーグループは「組織的に情報を盗んで販売している。日本の政府機関のものも盗んだ」と明かした。依頼してくるのはだれなのか。「身元を明かさない組織、政治団体、企業だ。ネットにつながっていればどんな情報でも盗める」とうそぶいたが、中国政府や軍との関わりは否定した。

上海の軍部隊がニューヨーク・タイムズ攻撃「温家宝首相の不正蓄財」記事の報復

   中国政府の尻尾をつかんだとする事例がアメリカにあった。「ニューヨーク・タイムズ」が昨年10月(2012年)に受けた大規模なサイバー攻撃だ。当時の温家宝首相の親族に不正蓄財の疑いという記事が出る前日、中国政府が「記事を書けば代償を払うことになる」といってきた。サイバー攻撃がその「代償」だったらしい。

   調査を依頼されたセキュリティ会社は、攻撃してきたパソコンを特定してその画面の監視に成功した。攻撃中に現れた4組の数字が盗み出したデー タの送り先を示していた。そこから上海にあるビルを割り出し、ここを拠点とする軍の部隊がサイバー攻撃に関わったと結論づけた。むろん中国は否定した。アメリカはヘーゲル国防長官が「中国政府や軍と見られるサイバー攻撃の脅威」を公言し、年次報告書もこれに言及した。今週末の米中首脳会談でもアメリカは懸念を表明するといっている。

   土屋大洋・慶大教授は「(日本の)1000件は氷山の一角。気付いていない、あるいは気付いても信用に関わるからいわない。株価にも響くから出てこない」という。政府はようやく火力発電所など大規模インフラが攻撃を受けた場合の対応に踏み出した。発電所の合同訓練も行われ、情報の共有もこの1年で 160にのぼり、被害の拡大を防いできたという。先月には新たなセキュリティ戦略案もできた。

   土屋教授は急がれるのは人材の育成だという。知的財産や技術が盗まれる損害がいかに大きいか。それにしては「非常事態には防衛省その他の国の機関が何らかの役割を……」(内閣官房)というレベルだ。もう十分に非常事態じゃないの?

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代(2013年6月6日放送「国家の『サイバー戦争』~情報流出の真相~」)

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