あなたの個人データ丸裸!「電子メール」「写真」「動画」「チャット」筒抜け
アメリカ国家安全保障局が情報収集―大手ネットも関与
不思議なことに日本ではメディアであまり話題にならないが、元CIA職員エドワード・スノーデン氏が暴露した米国家安全保障局(NSA)の秘密監視システム「PRISM」の存在は、海外では大変な問題になっている。オバマ大統領は形相を変えて、集めたのは単なる情報で通信内容は含まれないと打ち消しに必死だが、そんなことを真に受ける人間はアメリカ人にもそう多くはいない。
『ニューズウィーク日本版』は「ネットを監視するアメリカ政府の陰謀」という特集を組み、巨大に膨れ上がったネット企業の問題も追及している。オランダ選出の欧州議会議員ソフィア・イントベルトは電話取材に答え、PRISMの存在が明らかになったことにショックを受け、これでヨーロッパにおける個人情報保護規制は新しい段階に入るだろうと語っている。
「目を覚まさないといけない。これは深刻な事態だ。アメリカ政府はすべてを、文字どおり私たちのすべてを知っているのに、私たちにはその権力をチェックする手段がない。これでは民主主義と言えない」
ニューズウィークはこう書いている。
<何十年もの間、諜報機関は情報収集活動の一環として、国外の通信を監視してきた。しかし国連の言論・表現の自由に関する特別報道官フランク・ラ・ルエが今月の緊急報告で指摘しているように、新しいテクノロジーが状況を一変させた。
各国政府はそうした技術を利用して、かつてないほどあらゆる分野で秘密裏に、国民に知られることなく監視できるようになった。これがPRISM問題の本質だ。有力なネット企業もアメリカ政府の要請には応えざるを得ず、自分たちの顧客の基本的人権を踏みにじってきた>
PRISMの存在が報じられたとき、グーグル、マイクロソフト、フェイスブック、ヤフーなど大手ネット企業は関与を否定したが、数日もたたないうちに、一部企業の幹部が匿名で関与を認め始めた。<NSAは、外国情報監視法に基づく秘密裁判所の判断を根拠に、電子メール、写真、動画、文書、チャットのやりとりなど、ユーザの個人データを収集していたようだ>(ニューズウィーク)