2024年 4月 24日 (水)

「イプシロン」あれ!?発射直前に中止―見物客1万5000人がっかり、ウソでしょ、苦笑…

   12年ぶりの国産ロケット発射と日本中が固唾を飲んで見守った「イプシロン」の発射は中止となった。発射の瞬間を見ようと鹿児島県肝付町内之浦に集まった1万5000人は、発射予定時刻のきのう27日午後1時45分(2013年8月)が近づくと、カウントダウンしながら待ったが、イプシロンはピクリとも動かなかった。聞こえて来たのはイプシロンの宇宙を目指す推進音ではなく、観衆のため息だった。

地元旅館経営者「数か月前から予約いっぱい」

   宇宙航空開発機構(JAXA)の奥村直樹理事長は「国民、関係者の皆さんに申し訳ない」と謝罪し、発射延期となった理由を「自動カウントダウンシーケンスが、発射15秒前にロケットの発射姿勢に異常があると検知し、自動的に発射が延期されました」と説明した。

   地元・肝付町では「ロケットで町おこし」を狙っていたこともあって、幟が立てられ、佐野和行町長は「いろいろなグッズも用意しました。たくさんの見物客が来てくれることを期待しています」と張り切っていた。町に数件しかない民宿や旅館の経営者は「数か月前から宿泊予約でいっぱいになっています」とホクホク顔だった。町の観光協会関係者も「こんなに多くの客さんが来てくれたのはここ数年ありませんでした」と興奮気味だったが、「打ち上げ延期はしばしばあることだと聞いています。次の打ち上げに期待します」と肩を落とした。

日本の宇宙ビジネス切り札

   司会のみのもんた「打ち上げ失敗ではなく、打ち上げ延期。本当に延期なのだろうか」

   コメンテーターの片山善博(元総務相)は「イプシロンは国産初の観測衛星を搭載した小型ロケットで、打ち上げに失敗することは許されない。慎重の上にも慎重を重ね、打ち上げ延期としたことは良いことだと思いますね。なぜ、トラブルが起きたのかを探ることが大きな課題でしょう」と話す。

   逢坂ユリ(資産運用コンサルタント)「東南アジアでは小型観測衛星を搭載した小型ロケットの需要が高まっています。そうした中で、日本のイプシロンは海外からも注目を集めている。日本の宇宙ビジネスへの大きな切り札となります」

   再打ち上げは早ければ30日にも行われるという。まあ、果報は寝て待てということで…。

文   ナオジン| 似顔絵 池田マコト
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