娘に賭けた藤圭子、母の思い受け止めきれないヒカル…9歳の時に2人でアルバム

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   きのう27日(2013年8月)朝8時半すぎ、歌手の宇多田ヒカルが母・藤圭子の自殺事件後初めて報道陣の前に姿をみせた。葬儀の出棺の時で、父の宇多田照實氏と40分ほど親子だけの時間を持ったと話した。

   ヒカルと照實氏はその前日、藤が長く心の病に苦しんでいたことを明かしていた。藤はここ12年間は連絡もなく、孤独な放浪の旅を続けていたこともわかった。

「そうよ 小さなあなたを抱きしめて 生きて来たのよ」

   他人にはうかがえない親子の葛藤だが、わずかに思いをうかがわせる歌があった。「U・STAR」というアルバムだ。1993年、藤圭子が作曲して歌い、照實氏がプロデュースしたものだ。10曲のうち、宇多田ヒカルが2曲歌っていた。まだ9歳、ヒカルになる前の貴重な声だ。

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「草原に風が吹く たんぽぽの首かざり 胸もとでゆれながら 春の風 運んでる」(子供たちの歌が聞こえる)。

   もう1曲は2人の作詞だという。「夢の中の天使 翼をひろげて ようこそ THANK YOU FOR LOVE THANK YOU FOR SMILE」(THANK YOU)

   制作に携わった早川寛さんは「これ9歳の子の歌?と聞いた。こんな低音でガンガン声が出る。音もはずさない。えっ、と思った」という。

   アルバムのジャケットはヒカルが鉛筆で描いた録音スタジオの絵だ。スピーカーや調整パネル、電話、照明、スタッフなどまで細かく描いている。サインには「Hikaso.U 12/21/92」とあり、ピカソを気取ったのかもしれない。

   アルバムには母としての思いもある。

「たたづむ私に 小さな瞳が笑う 小さな手をひろげて 大空をつかむかのように そうよ 小さなあなたを抱きしめて 生きて来たのよ」(生きることを教えてくれた)

「好きなのはロック、演歌は仕事」

   みなロックやポップスだ。「やり直せる人生」などという意味深なものもあった。もともと「好きなのはロック、演歌は仕事」といっていたという。だが、このアルバムは400枚しか売れず、2度目の話はなかった。自らがロックを歌うようにもならなかった。その思いが娘に向かったのかもしれな い。

   98年にヒカルが「Automatic」でデビューする前まで「娘は才能がある」と売り込みに動き、デビュー後も指導していたという。しかし、ヒカルの側も思いは複雑だったようだ。家族の激しい衝突が藤の放浪の原因だったとも聞く。

   宮崎哲哉(評論家)がきのうのヒカルのコメントについて、「『彼女と出会えたことに感謝』といっているが、普通、母親に『出会う』とはいわない。ここにある種の爽やかな澄んだものを感じた」という。

   キャスターのテリー伊藤「藤圭子は普通の人とは違うマグマをもってた。それをもらった宇多田ヒカルさんは、これから恩返しだね。いい歌を歌ってほしい」

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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