<タイピスト!>
目指せタイピスト世界一!気が付いたら鬼コーチに恋してた…鼻っ柱強くて純情なフランス田舎娘かわいい

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(C)2012 - copyright:Les Productions du Tresor - France 3 Cinema - France
2 Cinema - Mars Films - Wild Bunch - Panache Productions - La Cie Cinematographique - RTBF(Television belge)(C)Photos - Jair Sfez.
(C)2012 - copyright:Les Productions du Tresor - France 3 Cinema - France 2 Cinema - Mars Films - Wild Bunch - Panache Productions - La Cie Cinematographique - RTBF(Television belge)(C)Photos - Jair Sfez.

   1950年代後半のフランス、女性の憧れの職業は秘書だった。主な業務はメモ取り、電話取り次ぎ、書類整理…そしてタイプライターを使ったタイピングである。主人公のローズ・パンフィルは田舎から出てきたばかりの村娘で、およそ秘書の仕事には向かないうっかり者だった。けれどもタイプの早打ちという才能を持っていた。才能を見抜いた保険会社経営者・ルイは、ともにタイピングの早打ち世界チャンピオンを目指すことを条件に、ローズを採用する。

   鼻っ柱が強くて負けず嫌いだけれど、本当は臆病なヒロインと、彼女に惚れ込んでいる鬼コーチ。鬼コーチはタイピングの才能に惚れたはずなのに、本当は彼女を愛していることに気づく。思わず「古典か!」とツッコミたくなる展開は多少閉口ものだが、この映画の見どころはそこではない。

   デコルテの大きく開いたふんわりドレスなんか野暮ったい。黒縁眼鏡に身体のラインがくっきり見えるツーピースこそが最先端という時代で、知的に見えるように髪はキリリとまとめあげる。女性の社会進出の夜明けを感じる衣装に加え、壁紙やランプシェードなどまで、隙のない、丁寧に作り込まれた背景がとにかく可愛らしい。ローズのふっくらした二の腕や生え癖の残る金髪からは、健康的ではつらつとした魅力がこれでもかと発散されている。

まるでミュージカルのような華やかで躍動的なタイピングシーン

   貞淑な妻たれという教育を受けた世代のちょっぴり後に生まれたローズは、行動や発言も大胆だ。想い人であるルイに「愛してる!」と叫び、ルイの実父がルイを馬鹿にしようものなら食って掛かる。まっすぐでエネルギッシュな彼女は周囲を動かしていく。

   圧巻はタイプシーンだ。必死の表情と速度で技を追求する女たちは、紙を積み上げ、目にもとまらぬ速さでキーを打つ。テンポの良い音楽とあいまって、台詞なしのシーンなのにミュージカルのように華やかだ。机に向かって、印字機をガチャガチャいわせるしぐさがこんなにも軽やかで、こんなにも美しいなんて!

   気の強さだけが際立っていた田舎娘が職能を開花させ全女性の憧れにというサクセスストーリーは、良くも悪くもシンプルである。ローズを演じるデボラ・フランソワがあか抜けていく様は爽快だ。けれど、自分の才能を見出して、住み込みでトレーニングしてくれた鬼コーチのさりげない優しさや思いやりに惹かれて…という恋愛パートは、思いっきりステレオタイプ。映像の美しさとおしゃれな台詞で緩和されているけれど、胸焼けがしそう。純愛好きならありかも。だいたい、「軽い女だと思わないで」と言いながら、ホイホイ家について行って、一緒に住んでみたら好きになっちゃったって、アンタ籠絡されてるよ!全編を通して、次の展開がバレバレな所はいまひとつでした。

   とはいえ、別の世界に連れて行ってくれる画の力には脱帽です。まるっこくてキッチュなタイプライター、腰が高い位置の男物スーツ、裾広がりのトレンチコート、細すぎないグラマラスな体型。そして、めかしこんだ女性ですし詰めのタイピング大会会場の熱気!。ホーッとため息の出る、目の保養系ガールズムービーでした。

(ばんぶぅ)

おススメ度☆☆☆

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