尾野真千子「尽くしても尽くしても裏切られる女」素晴らしい!オダサクの男と女に理屈いらないか… 
<夫婦善哉 第2回>(NHK総合)

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   筆者はこの作品の第1回を放映前に見る機会があったが、局の大宣伝の割にはあまり面白いと思わなかった。まず、今、なぜ織田作之助なのかという疑問があったし、第1回では「食い倒れ」の大阪を強調するあまり、主人公の維康柳吉(森山未来)と蝶子(尾野真千子)が意地汚くB級グルメを食ってるシーンばかり出てきて辟易し、関西風のユーモアも感じられなかったからである。
   この日の第2回を見て初めて作り手の意図がわかってきた。勘当された柳吉が腎臓結核になるわ、蝶子は母親の危篤でも男に解放されなくて死に目に会えないわ、退院した柳吉を温泉へ養生させに行かせたら、芸者をあげてどんちゃん騒ぎしているわ…。尽くしても尽くしても裏切られる女と、放蕩の限りをしても何故か憎まれないボンボン育ちの男と、常識では考えられない2人の存在そのものを、理屈抜きでただ眺めればいいと言っているように見えた。だが、果してこの厳しい現在の日本で共感を呼べるのか心もとない。
   尾野真千子は素晴らしい。ネイティブの大阪弁もいい。森山未来は物足りない。この物語の時代の男の匂いがしないし、もう少し軽さがある方が放蕩息子の頼りなさが出たのではないか。旅館や大店のセットはなかなか豪華で、大阪局の肝いりぶりがわかる。2007年に鹿児島で発見された織田作之助の未発表原稿部分も加えて、初めて完全版としてドラマ化されたもの。後2回を楽しみに待とうか。(放送2013年8月31日21時~)

(黄蘭)

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